フォンデアライエン氏選出 最大会派の欧州委員長候補

フォンデアライエン氏選出 最大会派の欧州委員長候補
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA07CZQ0X00C24A3000000/

『【ブリュッセル=共同】欧州連合(EU)欧州議会の最大会派の中道右派、欧州人民党(EPP)は7日、ルーマニアの首都ブカレストで6月の欧州議会選に向けた党大会を開き、現職のフォンデアライエン氏(65)を党の欧州委員長候補に選出した。同氏は最大会派の選挙戦を率いることになり、次期委員長の最有力候補となる。

フォンデアライエン氏は2月に2期目続投を目指す意向を表明していた。EU行政府トップの欧州委員長は、加盟国の首脳らで構成する欧州理事会が欧州議会選の結果を踏まえて提案し、欧州議会が多数決で承認する。

第2会派の中道左派、欧州社会民主進歩同盟(S&D)もシュミット欧州委員(雇用・社会権)を欧州委員長候補に選出するなど、主要会派の動きが本格化している。

フォンデアライエン氏は、新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵攻などで迅速に対処した実績を強調。中国を念頭にした産業の競争力強化や、対ロ抑止力を強化するため安全保障に重点を置く考えだ。

ただ、欧州では昨年11月のオランダ下院総選挙で反移民を掲げる極右政党が第1党に躍進するなどEU懐疑派勢力が台頭。EUの環境規制に反発する農家の抗議行動も続き、フォンデアライエン氏にとっては厳しい選挙戦となりそうだ。

フォンデアライエン氏は選出に先立つ演説で「欧州はかつてないほどポピュリストや国粋主義者による挑戦を受けている。彼らはわれわれの価値を踏みにじり、欧州を破壊しようとしている」と危機感を示した。』