ソニー、苦渋の人員削減 携帯ゲーム・パソコン台頭に焦り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC280CX0Y4A220C2000000/
『ソニーグループ傘下のゲーム事業会社、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は27日、SIEの社員数の8%にあたる約900人を削減すると発表した。近年の積極的なM&A(合併・買収)で組織が肥大化し、人員に余剰感があった。ゲームの利用環境が「プレイステーション(PS)」といった家庭用ゲーム機からパソコン(PC)やモバイルにシフトするなか、収益構造をテコ入れして再成長への布石を打つ。
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『PSといった家庭で楽しむ専用機がゲームの利用環境の中心ではなくなっている。ゲーム上級者はより反応が速く本格的なPCゲームを好む。
23年に台湾の華碩電脳(エイスース、ASUS)が発売したPC並み高性能携帯ゲーム機は米マイクロソフトのPC向け基本ソフト(OS)「ウィンドウズ11」や高性能半導体を搭載。あらゆるゲームの配信プラットフォームでダウンロードしたゲームを外出先でPC同様の環境下で遊ぶことができる。』
『モルガン・スタンレーMUFG証券の小野雅弘アナリストは今回の人員削減について「新型PS5の販売低調は高水準な価格が影響しており、販売台数の大幅減を防ぐためには値下げが必要と我々は考える。ゲームの自社タイトルが減少するなか24年度増益確保のために必要な方策だろう」と評価する。
世界中でゲーミングPCが想定以上の勢いで広がり、家庭用ゲーム機を展開しているマイクロソフトもゲーム部門で人員を削減する。
「自社スタジオの強い作品をPCなど他の手段も伸ばして利益率を改善させる」。ソニーGの十時社長は2月14日の決算会見で、PS5だけでなく、PC向けにもゲームソフトを展開する収益改善策を検討していることを明かした。危機感をバネにして環境変化に適応できるか。ソニーGの変身力が問われている。
(古川慶一、堤健太郎)』