次々に破綻が続く欧米のEV企業。

次々に破綻が続く欧米のEV企業。
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/33572894.html

『2023年度にクローズアップされたEVの様々な問題を受けて、経営破綻するEV専業企業が増加しています。過当競争の中国は言わずもがなですが、欧米企業で大きな期待を受けて資金調達をした企業の破綻が2024年は目立っています。実質的には、2022年あたりから、雲行きが怪しくなって、2023年に、実質的な販売不振と、各国のEV補助金が国家財政の問題から縮小・打ち切りになり、2024年になって資金が尽きて破産という流れです。国家政策という強力なバフをかけたのは良いですが、消費者への押しつけ圧力があからさまだったのと、広範な支持が得られなかったのが問題です。

何しろ、EV推進の為の優遇処置と同時に、ガソリン車のオーナーに対して、税金と維持費、公道での不利益と、「買い換えろ」と言わんばかりのデバフもかけており、新車でガソリン車を買おうものなら、CO2排出関係の追加課税で80万近くも多く出費しないと買えなくして、事実上、政府が消費者にEVの購入を押し付けて、選択肢を無理やり無くした事になります。そりゃ、反発もしますって。従来のガソリン・スタンドなどのインフラは、モロに影響を食らって、売上が下がる上、コスト負担の重い充電ステーションの新規設置に対して、優遇処置があるわけでもなく、廃業するスタンドが増えています。つまり、そのうち、EVを諦めてガソリン車に戻そうとしても、その時にはインフラが無い状態になりかねません。

・ボルタトラック経営破綻・・・スウェーデンのEVトラック専業製造会社。設計・開発はイギリス。製造はオーストリアという多国籍企業でした。日本円で2000億円ほどの出資で2019年に創業されましたが、本格的な生産に入る前に経営破綻しました。既に、13億ドル・6000台の受注を受けて、量産体制に入るばかりでしたが、EV部品の供給網の乱れから、生産できずに企業の命運が尽きました。

・アメリカのEVバス製造専業企業プロテラ経営破綻・・・EVバスの製造専業で創業した、プロテラが経営破綻しています。さらに、この会社はEV系部品の供給も担っていまして、この企業が倒れた事で、他のEVメーカーの生産計画が狂って、連鎖的な経営危機を引き起こしています。ボルタトラックが、量産できずに破綻した原因の一部と言われています。
・アメリカのテスラ、成長ペースの鈍化で1月に8%の株価下落・・・まぁ、バカみたいな高値が付いていたので、8%と言っても31兆円の時価総額が消滅しました。前から、ブログで言っていましたが、テスラの株価は、誰が考えても実力以上です。海外では、イメージが良いテスラですが、情報が豊富なアメリカ本国では、必ずしも製造メーカーとしての評判も良く無く、リコールも頻発しています。また、組織的なクレーム隠しや、誇大広告も発覚して、そろそろヤバイ感じです。

いくら部品点数が少なく、製造が内燃機関車に比べて容易とは言え、自動車を製造する供給網を整えて、安定した生産を維持するのは、簡単ではなく、2023年にはEVにとって、悪い環境が出揃い過ぎました。急ぎすぎた政府主導の方向転換のツケが、全部国民に回った結果、強い反動が起きて、体力の無い新興メーカーが潰されています。

結局、高いコストと不便という代償を払ってまで、思想的な共感で購入を選択する消費者は一部に過ぎないという事です。更に、タイヤのすり減りが、バッテリー重量の重いEVは、ガソリン車の5倍で、既に環境汚染として問題になっていたゴムタイヤの粉塵被害が拡大していますし、廃棄バッテリーは、相変わらず、処理せずに廃棄で土壌汚染が深刻になりそうだし、新車が競争激化で値下げ競争をするので、EVの中古車市場は形成されないので、ランニングコストは、再販できない分、メチャクチャ高くなるしで、購入の際の補助金など、あっという間に吹っ飛びます。割高な技術なんですよね。

大体、CO2削減と言いつつ、世界中で紛争が起きて、施設が燃え、街が破壊されているし、電力需要はリサイクル・エネルギーでは補えない増え方をしているし、取り敢えず直接排気ガスを感じないから、クリーンな気がする程度の効果しかなく、その為に犠牲する環境破壊の方が深刻です。バッテリーの原料のリチウムを採掘する現場の環境汚染と、児童労働などの労働環境は、かなり酷いです。「誰かの便利は、誰かの犠牲で成り立っている」という搾取の法則は、希少資源を爆消費するEVが増えた事で、悪化しています。』