日本のトヨタ、台湾のTSMCに差をつけられたサムスン電子の株価、その背景にあるのは「財閥支配」による株価低迷?: 楽韓Web(再掲)
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『 2024年02月18日 カテゴリ:経済 コメント:(38)
タグ: 韓国経済 トヨタ自動車 サムスン電子 TSMC KOSPI 株価
日本・台湾の大型株が乱高下しているが、三星電子は?(イーデイリー・朝鮮語)
アジア時価総額ビッグ3の順位がひっくり返った。 1位の台湾TSMCが人工知能(AI)ブームを基に独走を続けている中、日本のトヨタ自動車が7年ぶりにサムスン電子を抜いて2位を奪還した。 史上最大の業績達成を狙うトヨタとは違って、サムスン電子はAIの薫風をまともに活用できずにいるというのが悲喜を分けたものと見られる。
日本経済新聞によると、15日の終値基準でアジア時価総額1位の企業はTSMC(円基準86兆8000円)だ。 TSMCは台湾証券市場で同日だけで7.9%上昇し、史上最高値を更新した。 取引中の一時は上昇幅が9.8%に達した。
TSMCはAI時代の核心恩恵株に挙げられている。 AI学習·駆動に必要な最先端半導体をTSMCで委託生産しようとする需要が増えているためだ。 TSMCはAI半導体を中心に今年の売上が昨年より20%以上上昇するものと予想している。 (中略)
同日、トヨタ(55兆1000億円)も三星(サムスン)電子(54兆9000億円)を抜いてアジア時価総額2位に上がった。 今月6日、日本企業としては初めて時価総額50兆円を突破してから9日ぶりのことだ。 サムスン電子は2016年8月以降、7年6ヵ月ぶりにトヨタに遅れをとる羽目になった。 (中略)
台湾と日本の大型株が高空行進を繰り返す状況で、サムスン電子の株価は不振な要因は何だろうか。 市場ではサムスン電子がAIの薫風にまともに乗れずにいるという指摘が出ている。 AI用高帯域幅メモリー(HBM)市場では、三星電子のシェアは38%で、トップのSKハイニックス(53%)に押されている。 ファウンドリー事業でもTSMCに45.5%pシェアの差で遅れを取っている。
(引用ここまで)
TSMCが時価総額でアジア1位となって久しいです。
ドル建ての時価総額にどれだけの意味があるのかという気分がないではないですが。
それでもニューヨーク市場のADRで30ドル台の頃から見守っていた企業の株価が120ドルを超えるものになっているのはなかなか感慨があります。
個人的な想定では今頃200ドルくらいにはなっている予定だったのですが、地政学リスクが思ったよりも大きく評価されている感じですかね。
半導体関連ではTSMCとアプライドマテリアル、信越化学工業を持っているのですが、「あー、あそこでnVidiaかASMLを選択していたらなぁ」とか思わなくもないです。
余談。
ついでアジアでの2位はトヨタ。この数ヶ月で1000円近く株価を伸ばしていて2位だったサムスン電子を追い抜きました。
電気自動車が減速し、実用車としてのハイブリッドが評価されていて実際に売れていることが決算でも確認されたことが大きいのでしょう。
少なくとも2020年代はハイブリッドが主流になるのだろうなといったところ。
相対的に地位が低下しているのがサムスン電子。
韓国からは「コリアディスカウントが行われている」とされています。
[コラム]サムスン・ハンファが示した「コリアディスカウント」の原因(ハンギョレ)
空売り禁止等の手段がすっかり滑った後に、日本の東証と同様の「PBRを1倍以上にすべき」との施策を導入したことで、年初から続いていた下落基調を反転させることに成功しています。
とはいえ、年初来ではまだマイナス。
……というか、中国株の動きとシンクロしているんですけどね。
ハンギョレの記事では株価低迷の原因として「財閥支配があり、オーナー一家がすべてを支配していて硬直しているから韓国の株価は伸びないのだ」と指摘しています。
間違いなく理由のひとつとしてあるでしょうね。
相続を有利にするためには株価が高くならないほうがいいのですから。
オーナー一族にしてみれば株価を高くするという動機に欠けているのです。
わざわざ手持ち現金を減らして株を買い入れる自社株会なんてもっての他、というわけです。
サムスン電子の配当利回りは1.98%と、利益に比べると高くない水準。
その背景には「財閥のオーナー一家支配」があるのは間違いないでしょう。
結果、韓国人は情報や自国通貨で買えるなどアクセスしやすいはずの国内株が上昇しないとの「被害」を受けているともいえます。
まあ、その財閥支配の下で経済成長を遂げてきたのだから、そのくらいの不自由は甘受せよってことなのかもしれない。
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