近づく「物価と賃金の好循環」、見え始めた変化のサイン
「物価を考える 好循環の胎動」まとめ読み
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA168340W4A210C2000000/
『物価が上がり、賃金も上がる好循環――。企業の値上げや賃上げが広がり、政府が目指す経済の姿が近づいてきています。岩手県の温泉旅館やZ世代の新たなコスパ感覚、ウイスキー投資など、物価が凍った30年間からの変化を示すサインは意外なところで表れ始めました。連載企画「物価を考える」の第2部は、好循環の胎動につながる「気になるサイン」を追いました。
(1)「人口減」でデフレは本当か 通説覆す人手不足インフレ
デフレ下で年1回のベースアップ(ベア)すら広がらなかった日本で、年度内に2回という異例のベアに踏み切る企業が岩手県にある。県内で最大の宿泊施設を持つ花巻温泉(花巻市)。昨年7月に基本給を平均3.8%上げ、今年2月分も5%引き上げる。…記事を読む
【気になるサイン】急伸する宿泊料…
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『(2)Z世代のコスパ変化 中古活況、安さより将来の買取価格
若者は買い物を控え、中高年が高額消費を支える――。そんな定説が物価高を背景に中古品市場では覆りつつある。19年と23年の12月を比べると、コメ兵の世代別の客単価の伸びは40歳以上でバッグが9割、時計が4割に対し、29歳以下ではバッグが3.2倍、時計が7割と中高年を上回る。…記事を読む
【気になるサイン】再販価値
(3)ウイスキーに集まる投資マネー 実物資産でインフレ対策
「こんな相場は経験がない」。酒類の買い取り販売を手掛けるJOYLAB(東京・港)の太田圭亮社長はウイスキー相場の高騰ぶりに困惑する。
サントリーの「シングルモルトウイスキー山崎12年」700ミリリットル品(箱無し)の買い取り価格は1月、1本2万4000円。前年同月に比べ6割上がり過去最高値をつけた。「投資の初心者が、手掛けやすい価格帯から参入している可能性がある」(太田社長)。…記事を読む
【気になるサイン】金の国内需給
(4)賃上げ、事業変革の契機 「萎縮ならデフレに逆戻り」
価格は2000万円超――。農業機械大手クボタは1月、業界初の革新的なコンバインを発売した。米エヌビディアの画像処理半導体(GPU)を使った人工知能(AI)カメラで運転を自動制御する。馬力の小さい標準機の4倍程度の価格の新商品を支えたのが2020年ごろから採用を拡大したデジタル人材だ。…記事を読む
【気になるサイン】賃上げ率4%超
(5)インフレが呼ぶGDP「5%成長」 32年ぶりの恩恵と錯覚
「日本株は初めてという投資家も含め、面談が相次いだ」。モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅チーフエコノミストは、年明け早々にニューヨークなどの投資家を回った時の様子をこう振り返る。バブル期以来の値をつけるなど日本株市場が活況のなか、会談したのは20社超。特に投資家が関心を寄せたのは、日本の名目国内総生産(GDP)成長率と株価の連動についてだった。…記事を読む
【気になるサイン】名目GDP600兆円
【物価を考える 低温からの脱却まとめ読み】
異形の30年デフレ、物価・賃金動く「普通の経済」へ岐路
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・30年デフレ脱却へ「5合目越えた」 渡辺東大教授らに聞く
・インフレはイノベーション促す 岩井克人・東大名誉教授 』
『多様な観点からニュースを考える
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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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別の視点 日経センターが公表する直近のESPフォーキャスト調査(24年1月)によれば、今年の賃上げ率見通しは主要企業ベースで30年ぶりの賃上げ率が実現した昨年3.6%をやや上回る3.85%にとどまっています。
ただ、依然として雇用に占める68%以上が中堅・中小企業に属するため、中小企業の賃上げ率が重要ですが、大企業と中小企業の労働分配率格差は過去最高水準に拡大しています。
実質賃金が安定的にプラスに転じ、岸田政権が24年度中にデフレ脱却宣言を実現できるか否かは、主要企業ベースで4%越え、中小企業ベースで3%台後半の賃上げ率を達成できるか否かにかかっていると言えるでしょう。
2024年2月17日 9:13』