世界の製造業5期ぶり増益 10〜12月、米消費がけん引

世界の製造業5期ぶり増益 10〜12月、米消費がけん引
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC292Q20Z20C24A1000000/

『世界の製造業の2023年10〜12月期純利益は、22年7〜9月期以来5四半期ぶりに前年同期比で増益に転じた。堅調な米景気を背景に自動車や電機などが販売を伸ばした。小売りやサービスなど非製造業も好調を維持し、全体では1割増と2年ぶりの伸び率となった。

QUICK・ファクトセットのデータを使い、日米欧中などの主な上場企業約1万1000社(未発表の場合は市場予想、13日時点)を集計した。時価総額ベース…

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『時価総額ベースで世界全体の8割超を占める。』

『23年10〜12月期の純利益合計は前年同期比13%増の9641億ドル(約145兆円)と4四半期連続で増えた。伸び率は21年10〜12月期以来2年ぶりの高水準となる。先行して改善していた非製造業に製造業も加わり、企業業績の復調が鮮明だ。』

『製造業は2%増と5四半期ぶりの増益に転じた。インフレが鈍化するなか、米国を中心とする堅調な個人消費を取り込んだ。米国の個人消費は世界の国内総生産(GDP)の2割弱を占める。部品不足による供給制約が解消したことも売り上げ増につながった。

けん引したのは電機や自動車だ。米アップルは年末商戦で高単価の新型スマートフォン「iPhone15」が好調で、5四半期ぶりに増収増益となった。トヨタ自動車は米国でハイブリッド車の販売を伸ばしつつ、値上げを浸透させた。純利益は10〜12月期として初めて1兆円を超えた。』

『非製造業は26%増と4四半期連続で増益となった。米スターバックスは北米で顧客単価が4%伸びて増益となった。レイチェル・ルジェリ最高財務責任者(CFO)は「会員制プログラムの人気が根強い」と話す。堅調な消費を背景にネット広告も回復しており、米メタや米グーグル持ち株会社のアルファベットが最高益となった。』

『全体の増益企業の裾野も広がった。23年10〜12月期は17業種中、約8割に当たる13業種が増益となった。増益業種の割合は過去2年間の2〜4割から大幅に増えた。機械や医薬なども増益に転じ、素材エネルギーや金融の減益を補った。』

『中国向け売上高の大きい企業も苦戦した。米化学大手デュポンは中国の水処理関連や医療用包材の事業が顧客の在庫調整の影響で振るわず、最終赤字となった。京セラは中国向け電子部品などの出荷が低迷して減益となった。

中国は不動産不況を背景に消費や設備投資が振るわない。みずほ証券の王申申シニア中国株式ストラテジストは「不動産などのインフラ関連の投資が1〜3月に底入れするかどうか見極めたい」と話す。』

『純利益、配当や設備投資の元手

純利益とは、企業の売上高から製造や販売にかかった費用や税金などを引いた最終的なもうけのこと。企業活動によって株主にもたらされる利益を意味し、配当や設備投資などの元手となる。純利益から配当の支払いを引いた額が自己資本に加算される。投資家にとって最も重要な利益指標となる。

企業が開示する利益には複数ある。日本基準の場合、売上高から仕入れや製造にかかった費用や販売促進や管理にかかった費用を引いたのが営業利益で、本業のもうけを示す。営業利益から借入金の利息など本業以外の収益や費用を足し引きして経常利益を出す。これに一時的に発生した特別損益を加味し、法人税を払った残りが純利益となる。

純利益を自己資本で割った自己資本利益率(ROE)は企業が株主から預かった資本を使って効率的に利益を上げているかを示し、投資家の注目度が高い。東京証券取引所によると、日本の主要企業はROE8%未満が4割に上り、米国企業の1割強よりも多い。日本企業のROEが低い要因は売上高純利益率が低いためとされる。』