能登地震で複数の太陽光に被害の可能性、金沢工大の研究室が調査
https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/news/00001/03898/?ST=msb




『2024/01/15 23:37
工藤宗介=技術ライター
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能登町鶴町の太陽光発電所
能登町鶴町の太陽光発電所
(出所:徳永光晴研究室)
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七尾市能登島向田町の太陽光発電所
七尾市能登島向田町の太陽光発電所
(出所:徳永光晴研究室)
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七尾市中島町瀬嵐の太陽光発電所
七尾市中島町瀬嵐の太陽光発電所
(出所:徳永光晴研究室)
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珠洲市宝立町鵜飼の太陽光発電所
珠洲市宝立町鵜飼の太陽光発電所
(出所:徳永光晴研究室)
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金沢工業大学・工学部環境土木工学科の徳永光晴研究室は、1月1日に発生した能登半島地震における太陽光発電所の被害を調査し、1月10日に報告書を公表した。
「令和6年能登半島地震における太陽光発電所の被害調査報告」は、地震発生後の1月2日および5日に国土地理院が撮影した被災地の航空写真をもとに、4カ所の太陽光発電所について被害状況を確認し、また、防災化研が発表した面的推定震度分布正式版を重ね合わせた震度マップを併記した。その結果、調査した4カ所のうち3カ所では、地震による被害の可能性があるとした。
能登町鶴町の太陽光発電所では、国土交通省の国土数値情報ダウンロードサイトが提供する土砂災害計画区域および土砂災害危険箇所には指定されていない斜面での崩落を確認した。震度6弱の揺れで斜面が大きく崩落したとみられ、太陽光パネルが一部落下している可能性があるという。
七尾市能登島向田町と七尾市中島町瀬嵐の太陽光発電所では、一部に斜面崩壊・堆積を確認した。能登島東部は震度が大きく、太陽光発電所の近郊で震度6強を記録していた。中島町瀬嵐は震度5弱だったが一部斜面が崩落したと見られる。
一方、珠洲市宝立町鵜飼の太陽光発電所では、近隣にある鵜飼漁港と見附島に被害があったものの、発電所には被害が確認されなかった。鵜飼漁港では、漁船が乗り上げるなどの津波被害が、見附島では島の南東斜面が大きく崩れていることを確認できた。一方、太陽光発電所は海抜34mに位置することから被害は確認されなかった。また、震度6強または7の揺れに見舞われているが、発電所敷地内に崩落は確認されなかった。
同研究室では、もともと石川県内における太陽光発電所の適地調査を行っていた。徳永光晴教授は、現地の太陽光発電所が無事なら停電が続く被災地への電力供給の可能性があるのではないかとの想いから、今回の被害調査を実施したと説明している。 』