地銀融資、経営者保証なし過半に 福邦・京都が高い伸び
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB029WX0S4A200C2000000/
『地方銀行で経営者に個人的な債務保証を求めない無保証融資が急増している。金融庁によると2023年4〜9月の地銀99行の新規融資に占める無保証融資割合が、半年前(22年10月〜23年3月)より14ポイント高い54%となった。メガバンクなど大手行9行は4ポイント高い76.5%だった。23年4月の金融庁の監督指針改正をきっかけに、個人保証に頼った融資慣行が大きく変わりつつある。
経営者保証は会社が返済不…
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『地銀で無保証融資比率が軒並み上昇したのは、23年4月の金融庁の監督指針改正で経営者保証を求める手続きが厳格になったことがある。経営者保証を求める場合は保証契約の必要性などを企業に具体的に説明することを義務付けた。説明した件数は金融庁にも報告が必要となり、安易に経営者保証を付ける慣行を是正する狙いだ。
金融庁が経営者保証を付ける慣行の見直しを促すのは、事業承継や起業などによる経済の新陳代謝を促すためだ。経営者保証は経営の規律につながる一方、事業に失敗すると経営者は自宅不動産や私財を失い、生活や再挑戦が難しくなる。事業承継などに二の足を踏む要因といわれてきた。』
『経営者保証が外れても、貸出金利などの貸し出し条件には「直接的な影響は及んでいない」(金融庁)との指摘がある。
もともと銀行が経営者保証を求めるのは、全国銀行協会などのガイドラインで示される法人と個人の分離などの要件を満たしていない場合に限られるはずだった。ところが、要件を満たしていても「慣習で当たり前のように(経営者保証を)付けていた」(関東地区地銀)ケースが多かった。こうした保証を外したからといって、金利引き上げは求めにくいという。』
『今後の課題は、比較的リスクの高い先が対象となる信用保証付き融資での経営者保証の取り扱いだ。中小企業の4割が使う信用保証制度では、融資の7割で経営者保証が使われている。銀行が信用保証付き融資を利用する場合に経営者保証を求めるかどうかはあらかじめ信用保証協会が銀行に示している基準がベースで、付けざるを得ない面がある。
経済産業省は、中小企業などが経営者保証なしでも融資を受けられる信用保証制度を創設する。3月から受け付けを開始し、通常よりも高い保証料を支払うことで経営者保証が不要になる。制度開始から3年間は国の補助で保証料上乗せ分の負担を軽減する方針で、利用が進むかが焦点となる。』