膨張した理由の逆回転で経済が爆縮する中国
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『 このブログで何回か書いていますが、中国経済のGDPは、土地を担保にした借金の足し算で出ている数字です。つまり、数字の相当部分は、未だ償却していない数十年先までの利益を、売買契約の時点で入れている加算の結果です。なので、日本のGDPの何倍であろうと、アメリカに追いつきそうであろうと、まったくビビル必要はありません。GDPは発生した価値を金額換算した結果を、単純に足し算した結果なので、経済規模を大雑把に把握するには適していますが、必ずしも経済の実体を正しく示しているとは言えない統計です。
今までの中国の土地バブルの仕組みですが、まず中華人民共和国が成立した時点で、国民から全ての私有地を強制的に召し上げて、全て国家の所属にしました。この時点で、表沙汰になっていない、破産した元地主が大量に自殺しています。それは、資産家を敵視していた共産主義者である毛沢東達にとっては、小気味の良い事であって、彼らが毎日のように屍を積み上げる事は、自分達の革命の成功を物語る結果と考えていました。当時の上海の行政官が、毎朝、登庁すると、最初に聞く報告は、前日に投楼(投身自殺)した人数だったという話もあります。破産した資産家が絶望して、毎日、自殺するのが日常の期間が、革命直後には、しばらく続いたという事です。
そうして、鄧小平氏から始まる改革開放後は、この接収した莫大な資産を、貸借権として民間に降ろす事で、中国のGDPは築かれてきました。民間に貸し出す時点で、まとまった金額が必要なので、もちろん不動産デベロッパーは、全額を銀行から借金します。払込は、最初にしないといけないからです。つまり、行政は土地を貸し出すだけで、巨万の富が歳入として入ってきます。なぜ、中国の汚職が最低でも億単位、下手すると兆に届く金額になるかと言えば、こうして右から左に巨額の現金が動くからです。
そして、土地を借り受けた民間企業は、そこに高層マンションを立て、設計図の時点で売り出します。現物が存在しない時点で、住宅ローンを組んで返済が始まるわけです。つまり、建物が完成する前に、ある程度の現金が不動産デベロッパーの手元に入ってきます。これを、原資にして、また新しい土地を、借り受けて、可能ならば新しい高層マンションの建設を始めます。その時に、まだ完成していない、最初のマンションを担保にして資金借り入れをしたりします。株の売買をした事のある人なら理解が早いと思いますが、これはいわゆる「2階建て。3階建て」と言われる超ハイレバ取引と同じ構造です。順調に利益が出て資金が回っているうちは、利益が積み上がりますが、資金回収が一箇所でも行き詰まると、砂の城が崩れるように全体が崩壊します。最新の借金が、一回前の借金を押しつぶし、追証ができないと、全体が瓦解して資金が止まります。
いわゆるバブルと言う状態は、建物を寝かしておくと、勝手に価値が上がるので、それが含み益となって資産価値が上昇します。その上がった査定額を担保に、更に借り入れを確保して、次の建物を買付すれば、その物件でも同じ効果が期待できます。バブル期の不動産長者というのは、こういう仕組みで、資産はネズミ算で増えていきます。しかし、冷静に考えると、これは不動産価値が絶対に後退しない事を前提にした、全てが借金で構成された資産です。それでも、価値が発生しているので、GDPには生産額として、そのまま加算されるのです。その実体は、まだ借金で確保しているだけの資産の合計値に過ぎません。言い方を変えると、数十年先の未来に手に入る予定の資産価値を、契約時点で足し算しているようなものです。
経済が膨張しているうちは良いのですが、逆回転して縮小し始めると、担保にしている不動産価値が低下して、担保割れを始めます。つまり、借り入れた借金に対して、担保が足りなくなり、追証が必要になるという事です。何十にも、複数の不動産で、担保に入れながら借金をしている場合、古い借金になるに連れて、最近のローンが押しつぶすようにハイレバの借り入れ構造を押しつぶし、最終的には銀行が貸し倒れになります。中国の経済が、膨張した勢いと同じ勢いで縮小しているのは、この為です。中国の富裕層は、あっという間に富豪になりますが、富豪から破産までも早いです。というのは、その富に実体が無いからです。ようは、借金だったりします。担保にしている不動産が値上がりしているうちは、多重に借金と担保が入り組んでいても、手元の使える現金は増えますが、逆に値下がりし始めると、物凄い勢いで資産が減ります。
なので、良く言われるのですが、北京や上海の一等地の高層マンション地区で、中国の富裕層をあてにして、高級ブランド店などを開くと、思ったように売れなかったりします。というのは、彼らの資産は、バブルで物凄い金額になっているのですが、資産構成の殆どが不動産であって、しかもローンを完済していなかったりするのです。なので、実は持っている現金は、まあ、ちょっと豊かな中間層ぐらいだったりします。なので、必要が無くて単価の高いブランド品とか、買えなかったりします。それでも、バブル期には、10年も寝かしておけば、不動産価値が数倍になったので、問題なかったのです。
それと、同じスピードで不動産価値が下落したら、どうなるかは想像に難くないですね。借金の返済は待ったなしなのに、担保価値が急降下するのですから、返済できるはずがありません。貸し倒れ待った無しです。すると、貸した銀行に不良債権の山が積み上がる事になります。回収できない資金が積み上がれば、銀行から資金が無くなるのは道理です。不動産で発生した負債が、金融業界を押しつぶす圧力になりつつあるのが、今の中国です。そうして、こうした不動産の差し押さえ物件が大量に出ると、ただでも需要以上に供給されている不動産の市場価格を押し下げます。それが、差し押さえ物件の担保価値を更に押し下げて、銀行の資金が枯渇する原因になります。
私が、ここ最近、中国の金融業界の信用不安について、数個の記事を投稿していますが、ようは、この段階に入ったという事です。銀行にも民間にも政府にも、「金が無い」んです。今、綺羅びやかに大都市にそそり勃っている立派な高層ビルも、大部分は借金で、未来の先取りで出来上がっているだけで、まったく償却できていないのです。なので、張り子の虎と見ていれば間違いありません。本来は、そこで行われるビジネスが生み出した価値創出で、数十年かけて償却する事で、帳尻が合うはずなのですが、経済が滞って、若年失業率が20%を超えるようになったらどうなるかという事です。まぁ、政府統計なんで、北京大学の准教授の試算で、いわゆるニート化している数を含めると、40%を超えるらしいですけどね。
その為、銀行は、先細る資金を金利から守る為に、前倒し返済で借金を返そうとする顧客の申し込みを断る為に、手続きで嫌がらせをして抵抗しています。これ、良く勘違いされるのですが、銀行に取って上客というのは、短期で確実に借金を返す顧客ではなく、長期で常に借り入れ上限のギリギリの天井で、金利を払ってくれる顧客です。うまくリボ払いなどで誘導すると、一生相手を借金漬けにする事も可能で、そういう顧客が銀行にとって上客です。なので、返済できる資金力のある顧客が、予定よりも早く借金返済をすると、銀行は困るのですね。なので、一日に受け付ける件数を、実際には余裕があるにも関わらず、忙しいという理由で制限して、受け付けないようにしています。さすがに、「早期に借金を返す」と言っている顧客を、拒否する事はできないので、牛歩戦術みたいな事をして手続きを妨害しているわけです。これ、やっているの国有銀行とかもですから、いかに銀行の資金が枯渇しているか判ります。ちなみに、5大国有銀行の一つである中国建設銀行の複数の地方省の支店は、実質的に破綻していると言われています。それを、中央政府が認めていないので、正式に認定されていないだけです。
この前、恒大不動産が香港の裁判所から精算命令が出て、現在50兆円の負債という世界史上最大の経済事案になっていますが、不動産を起点に資金が枯渇するというのは、こんなもんじゃありません。まだ、始まりに過ぎないし、これすら中国本土の政府が認めなければ、無視できる判断です。香港と本土は、建前で一国二制度になっているので、一応、司法が別なんですよね。なので、香港の裁判所が判決を出しても、本土で無視する事ができます。まあ、先延ばしするだけ、資産価値が下がって、負債が増えるだけなんですけど、取引先が数十万件あるので、潰すのも簡単じゃないんですよね。
「武漢肺炎対策が解除されれば、中国の経済は復活する」とか言っていた経済アナリストが、いかに投資家から資金を引き出す為にリップサービスで言っていたか判るというものです。もしくは、そう言って営業しろと命令されて、何も知らないのに呪文みたいに唱えていたクソ・セールスマンが多かったかという事です。ちなみに、今、FXでトルコリラ取引のキャンペーンとかやっている業者が多いですが、これも罠なんで、ひっかからないように注意して下さい。営業している奴らの殆どは、トルコ経済の事など知りもせず、政策金利の数字だけで営業を仕掛けているだけです。』