NYダウ369ドル高、再び最高値更新 労働指標を好感

NYダウ369ドル高、再び最高値更新 労働指標を好感
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『【NQNニューヨーク=稲場三奈】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比369ドル54セント(0.96%)高の3万8519ドル84セントで終え、1月30日に付けた過去最高値を更新した。朝発表の米雇用指標が労働需給の緩和を示し、物価上昇が一段と沈静化するとの見方が広がった。米長期金利が低下し、一時約1カ月ぶりの低水準を付けたことも株買いを誘った。

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1日発表の週間の米新規失業保険申請件数は22万4000件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(21万4000件)より多かった。2023年10〜12月期の米労働生産性では、企業の賃金負担を示す単位労働コストが7〜9月期に比べ年率0.5%上昇し、市場予想(1.1%上昇)を下回った。賃金の上昇圧力が緩み、インフレの鈍化につながるとの観測が広がった。
指標を受け、米債券市場では長期金利が低下した。一時は3.81%と23年12月下旬以来、およそ1カ月ぶりの低水準を付けた。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に、株式の相対的な割高感が薄れたとみた買いが入りやすかった。

米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測の後退から、前日には売りが膨らんでいた。パウエル議長は米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、インフレ率が目標の2%を上回っていることを念頭に3月の利下げに否定的な考えを示した。もっとも市場では「FOMCで特にサプライズはみられず、きょうは前日に下げた反動で買いが広がった」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との見方があった。

1日の取引終了後には、スマートフォンのアップルやネット通販のアマゾン・ドット・コム、交流サイトのメタプラットフォームズといった大型ハイテク株の決算発表を控える。人工知能(AI)需要の加速を背景に業績期待も高く、決算を前に先回りした買いもみられた。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、米地銀のニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)が11%安で終えた。商業用不動産向け融資で多額の引当金を計上し、前日朝発表の23年10〜12月期決算で市場予想に反して赤字に転落。1日には前日に続いて売りが膨らみ、他の金融機関や地銀株の重荷となった面があった。

ダウ平均の構成銘柄では、顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトが買われた。四半期決算が好感された製薬のメルクは5%弱高で終えた。半面、金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスは売られた。四半期決算が振るわなかった機械のハネウェル・インターナショナルも安かった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日比197.630ポイント(1.30%)高の1万5361.642で終えた。アマゾン・ドット・コムやメタプラットフォームズの上げが目立った。

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

1日に発表された昨年10-12月期の米労働生産性速報値は前期比年率+3.2%で、3四半期連続の上昇。インフレ圧力をうかがい知るために市場が注目するユニットレーバーコスト(単位労働コスト)は同+0.5%にとどまった。1つ前の7-9月期は同▲1.1%である。

これより前、1月31日に発表された昨年10-12月期の雇用コスト指数は、前期比+0.9%・前年同期比+4.2%。前期比は0.2%ポイント、前年同期比は0.1%ポイント、それぞれ伸びが鈍化した。

FRBがなお警戒している賃金面からのインフレ圧力が徐々に減退していることを示すエビデンスが積み重なってきた。

FRBの利上げは、おそらく5月にあるだろう。

2024年2月2日 7:42 (2024年2月2日 7:43更新) 』