独の老舗百貨店KaDeWe破産申請 高額賃料見直し交渉へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR29CFS0Z20C24A1000000/
『【フランクフルト=林英樹】ドイツの老舗高級百貨店「カーデーベー(KaDeWe)」グループは29日、ベルリン・シャルロッテンブルク区裁判所に破産手続きの開始を申請し、承認されたと発表した。1907年創業のベルリン店を含む傘下3店舗は営業を続け、自主再建を目指す。高額な賃料が経営を圧迫した。
カーデーベーはカウフハウス・デス・ベステンス(ドイツ語で「西のデパート」の意)の略称。旧西ベルリンの中心地に…
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『欧州の不動産王として知られるルネ・ベンコ氏が率いるオーストリアのシグナ・ホールディングスが2012年、ドイツのミュンヘンとハンブルクの店舗を含めたカーデーベー・グループを買収した。現在はタイの小売り最大手セントラル・グループが株式50.1%を、シグナ傘下の事業会社が49.9%を保有している。
23年11月、資金繰りの悪化からシグナが破産を申請し、カーデーベー・グループは自主再建の必要性に迫られていた。同じくシグナ傘下の独百貨店グループ、ガレリア・カールシュタット・カウフホフも24年1月9日、3度目となる破産を申請していた。』
『多様な観点からニュースを考える
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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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貴重な体験談 ベルリンに暮らす日本人にとっては、「オアシス」のような場所でした。食品売り場のカウンターで簡単な食事を取ることもできるし、他では入手しにくい食材もここに行けば大概見つかる。今でもベルリンに行くたびに、ここでお土産を買うので、なくなったらどうしよう!と青くなりましたが、賃料交渉のためで、営業は普段通り続けるということで、安堵しました。在独日本大使館がボンからベルリンに引っ越した時に、今の大使館の建物の改修工事が済むまで、しばらくKaDeWeの向かいのビルに仮住まいしていたことがあり、買い物にはとても便利でした(当時私は専門調査員でした)。
2024年1月30日 12:23いいね
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菅野幹雄
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
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ひとこと解説 約20年前にドイツの首都ながらどこか田舎っぽいベルリンに駐在していたころ、KaDeWeは東京のような「都会感」を漂わせる唯一の場所でした。その後、日本のデパートを参考に改装をほどこしたといわれ、上階にある食料品売り場の充実ぶりは目を見張りました。マイナス成長で「欧州の病人」と言われるドイツ経済。見出しからは消費不況が老舗の高級百貨店を破産に追い込んだ印象を持ちますが、経済不振のなかでも売り上げはむしろ非常に好調で、「法外な賃料」の負担から逃れるのが破産の目的のようです。地元メディアによると2018~19年に比べて賃料が37%上がったとのこと。様々な意味での「ひずみ」がもたらした混乱といえます。
2024年1月30日 8:14 』