中国、パプアに安保協力を提示 米の防波堤にくさび
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM300NO0Q4A130C2000000/
『【シドニー=今橋瑠璃華】中国が太平洋島しょ国のパプアニューギニアに安全保障の協力をもちかけていたことが分かった。29日、ロイター通信が報じた。太平洋での米中の覇権争いが激化する中、中国が米国が築く防波堤にくさびを打ち込む狙いがある。
ロイター通信はパプアのトカチェンコ外相の話として、中国側が2023年9月にパプアとの安保協力を提案したと報じた。警察の訓練や装備、監視技術における支援をもちかけたと…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
『パプアは23年5月に米国と防衛協力協定を結んだ。米軍がパプアの海軍基地を含む6施設を15年間使う内容だ。米軍は施設で航空機や艦船の燃料補給に加え、軍事物資の備蓄を検討しており、台湾有事などに備える狙いがある。
同年12月、パプアは米国の同盟国であるオーストラリアとも安全保障協定を締結した。
パプアは中国とは経済関係を軸に協力を深めてきた。昨年10月にパプアのマラペ首相が中国を訪問し、習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談。両国の直行便の就航や、自由貿易協定(FTA)締結に向けた検討をすすめることなどで合意した。
中国は太平洋での影響力を強めている。22年にはソロモン諸島と安保協定を締結した。今月には島しょ国のナウルが台湾と断交し、中国との国交を回復。台湾との外交関係をもつツバルでは、26日に行われた総選挙で親台湾の首相が落選し、今後の対中関係の行方が注目されている。』