メキシコ投資、過去最高水準 「米回避」で中国急増
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN090440Z01C23A2000000/
『海外からメキシコへの直接投資額が2023年1〜9月に329億ドル(約4兆9000億円)に達した。過去最高だった13年に迫る水準で、中国企業の進出や設備増設が多い。米中対立の激化で米国生産のリスクを避けてメキシコを選ぶケースが多いとみられ、米バイデン政権も神経をとがらせている。
トランプ前大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)に代わって発効させた「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」は域内貿…
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『11月の米大統領選は、バイデン氏とトランプ前大統領が再対決する可能性が高まっている。大統領選が終わっても米政府の中国に対する強硬な姿勢は動かないとみて、中国企業の多くがメキシコ進出にカジを切る。
米電気自動車(EV)大手のテスラがメキシコ北部、ヌエボレオン州に建設を表明した「ギガファクトリー」は同社のサプライチェーン(供給網)の中でも重要度が高い。テスラ特需は中国系サプライヤーをひき付ける。同州や中国当局の発表によると、テスラのサプライヤーとして進出を表明した中国の2社だけでも投資額は10億ドルに上る。
「おそらく2カ所目の生産拠点になる」。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「次世代車」と位置づける低価格EVを生産すると説明した。新工場建設のたびにEV生産コストの削減を進めてきたテスラは、メキシコでも抜本的な削減をめざす。全体の投資額は明らかにしていないが、50億ドル規模との見方もある。』
『大統領選を前に弱腰の印象を与えられないバイデン政権は、中国企業を事実上狙い撃ちにする規制の強化を相次いで打ち出した。
23年12月にメキシコを訪れたイエレン米財務長官はメキシコのロペスオブラドール大統領に、米国と同様に海外投資を厳しく審査するよう求めた。相次いで進出する中国企業を念頭に置いた発言だ。』