「あいつを国会議長にするな」 台湾次期総統が警戒する相手
勝者なき台湾総統選(2)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1765L0X10C24A1000000/
『「あいつを立法院長(国会議長)にしてはいけない」。台湾の次期総統に決まった民主進歩党(民進党)の頼清徳が選挙中、繰り返し非難した男がいる。最大野党・国民党の韓国瑜だ。
韓は南部・高雄市長時代に巧みな弁舌で注目を集め、2020年の前回総統選では現職の蔡英文(ツァイ・インウェン)と戦った。敗れはしたが、今なお熱狂的なファンを抱える。
親中派としても有名だ。高雄市長として香港や中国本土を訪れ、中国政府…
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『親中派としても有名だ。高雄市長として香港や中国本土を訪れ、中国政府幹部らと面会。中国ビジネスで人々を「大金持ちにする」と主張するなど、中国寄りの発言を繰り返してきた。
今回の選挙では「絶対に民進党に投票するな。そうでなければ、汚職と腐敗の執政が続く」と批判を展開した。』
『国民党は韓の支持者を取り込み、立法院(国会)の議席数で民進党を上回る第1党の座を得た。そこで2月1日に選ばれる立法院長の有力候補に、功労者の韓が浮上した。
立法院長は与野党が対立する議案などを調整する立場だ。頼が総統になっても、立法院で法案が通らなければ、米国からの兵器購入や対中政策などが進展しない可能性がある。』
『親米派の頼と、親中の韓。政治信条はもともと相いれない。
頼は韓が立法院長に就き、審議が停滞する事態を警戒する。選挙戦でも、韓を中心とした国民党の勢力が復権すれば、大問題を引き起こすと訴えた。
韓はかつて、市長就任から1年足らずで休職したほか、過度な親中発言で市民の不興を買い、市長を罷免された。罷免直後には「(民進党が)メディアやネット工作員を買収した」と不満をぶちまけた。』