岸田派解散、基盤揺るがす賭け 麻生・茂木派は反発

岸田派解散、基盤揺るがす賭け 麻生・茂木派は反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA18C830Y4A110C2000000/

 ※ 政局、風雲急を告げてきた…。

 ※ いずれこのままでは、党内第四派閥だから、ジリ貧は免れない…。

 ※ そこで、「党内構造」そのものを揺るがす賭けに出た…、という感じか。

 ※ こういう局面になると、菅さんの動向が注目だ…。

 ※ 「無派閥」活動となると、菅さんに一日(いちじつ)の長があり、ノウハウも豊富に持っている…、と思われるからだ…。

 ※ しかも、手下(てか)に「掛け持ち組」が多いから、「各派閥」の動向の情報も、逐一集まってくると思われる…。

 ※ ある意味、「二重スパイ」みたいなものだが、丹念に「埋め込んで」きた成果が花開く局面だと思う…。

『【この記事のポイント】
・岸田首相の自派閥解消は捨て身の賭け
・波及を恐れる他派閥の幹部は不快感示す
・政権と派閥の存続の行方は世論の支持が握る

岸田文雄首相は自らが会長を務めてきた自民党派閥「宏池会」(岸田派)を解散させる意向だ。政治資金問題の立件対象が同派にも広がり、自ら率先して派閥を解消することで信頼回復をめざす。麻生派や茂木派には反発の声がある。政権基盤が崩れかねない捨て身の賭けとなる。

「自民…

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『状況が変わったのは18日。岸田派の元会計責任者の立件が報じられ、安倍派や二階派の動きを見極めてからでは後手に回る可能性が高まった。首相は同日、相次いで岸田派所属議員と会って派閥解散の根回しを急いだ。

唐突に打ち出したようにみえる派閥解散の判断だが、首相はかねて安倍派の裏金問題が取り沙汰されるなか派閥機能を抜本改革する必要性を感じていた。年明けには派閥解消論を聞かれても否定しなくなっていた。

4日の年頭記者会見では派閥について「本来の目的から外れ、カネやポストを求める場になっていたのではないか」と疑問を呈した。状況が変わったのは18日。岸田派の元会計責任者の立件が報じられ、安倍派や二階派の動きを見極めてからでは後手に回る可能性が高まった。首相は同日、相次いで岸田派所属議員と会って派閥解散の根回しを急いだ。

唐突に打ち出したようにみえる派閥解散の判断だが、首相はかねて安倍派の裏金問題が取り沙汰されるなか派閥機能を抜本改革する必要性を感じていた。年明けには派閥解消論を聞かれても否定しなくなっていた。

4日の年頭記者会見では派閥について「本来の目的から外れ、カネやポストを求める場になっていたのではないか」と疑問を呈した。』

『岸田派の解消を受けてその他の派閥にどう波及するかは見通せない。首相を支える自民党の麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長はともに表立って立件の対象となっていないだけに派閥解消には消極的だ。

麻生派幹部は18日夜、岸田派の解散表明に不快感を示した。茂木派幹部は「全部の派閥を解散する必要はない」と語った。

自民党総裁の任期は9月に満了する。各派閥の存続を含めた動向は総裁選に影響する。』

『首相による「派閥解散」の判断は今後の政権運営への賭けでもあった。派閥を含む党の統治構造を変えることができれば、国民世論の支持を得て政権を立て直せるとの読みもある。

逆に支持が得られなければ孤立を招きかねない。これまで首相は麻生、茂木、岸田3派を中心に政権を運営してきた。自らの派閥が消え、麻生派や茂木派の支えも弱まれば政権の根幹が揺らぐ。

無派閥だった菅義偉前首相は支持率が低下すると他派閥からの支持が急速に離れ、2021年総裁選で立候補断念に追い込まれた。』

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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分析・考察 衆議院ではなく、岸田派を解散。政治の世界は展開がなかなか読めない。

岸田政権を支える自民党の麻生副総裁、茂木幹事長にも相談せず、首相自身が危機感から決めたことのようである。

党内には強い反発の声もあるようで、「麻生派と茂木派から『岸田おろし』が始まりかねない」と茂木派幹部は激怒した(朝日)。

一方、「これで岸田降ろしに動く自民党ならば、どのみち国民から見放される」と首相周辺は述べた(産経)。

派閥は解消すべきだという方向に世論が傾いている上に、通常国会冒頭でこの問題が審議される段取り。したがって、派閥は解消で自民党「政治刷新本部」の中間取りまとめが行われるだろう。

ただし、緩い形の議員グループは残存か。
2024年1月19日 7:53 (2024年1月19日 7:53更新)』