中国のドル建てGDP、29年ぶり減 世界経済のシェア低下

中国のドル建てGDP、29年ぶり減 世界経済のシェア低下
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM132F10T10C24A1000000/

『【北京=川手伊織】中国国家統計局が17日発表した2023年の実質国内総生産(GDP)は、人民元建てで前年比5.2%増えた。政府目標は達成したが、22年の「ゼロコロナ」政策の反動が大きい。ドル建ての名目GDPは29年ぶりに減少し、世界のGDPシェアは2年連続で低下。中国のけん引力が弱まれば、世界経済の安定にも響く。

「(中国経済は)回復に向かっている」。16日に開いた世界経済フォーラム(WEF)の…

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『多様な観点からニュースを考える
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察 ドル建て名目GDPは為替によって影響され、必ずしもほんとうの経済実力を反映するものである。

問題なのは昨日発表された2023年の実質GDP伸び率5.2%の信ぴょう性である。

貿易と消費は伸びず、投資はマイナスなのに、どうして5%以上も成長したのだろうか。
5.2%成長しているのに、失業率は依然として高い。6月に発表された若者の失業率は21.3%だった。昨日発表された若者の失業率は14.9%と下がっている。

定義が違うといわれているが、定義が違えば、前の統計と比較できない。中国経済をみている者は苦労が多い!
2024年1月18日 7:28いいね
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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

①日本とドイツのドル建て名目GDPの逆転などをはやすより、ずっと意味のある分析記事です。中国の目標はドル建て名目GDPで米国を抜くこと。そんな目標が蜃気楼のように消え去ることを意味するからです。

②中国のドル建て名目GDPの縮小。一応の理由は人民元安ですが、より深刻なのは人民元建てでみても23年の名目成長率が4.6%に鈍化したことでしょう。実質成長率が5.2%に“回復”したといっても、デフレーターによるかさ上げに過ぎません。

③中国は経済規模の拡大を国際的な影響力の源泉にしてきました。その基盤が動揺している。世界経済への負の影響を心配する前に、焦燥感が戦狼外交に拍車をかけないか。心配です。

2024年1月18日 0:03いいね
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