台湾との断交相次ぐ中南米、グアテマラが新たに対中接近へ…中国「正しい判断を」とくら替え促す
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230822-OYT1T50033/

『2023/08/22 06:30
【リオデジャネイロ=大月美佳】台湾との外交関係を維持する中米グアテマラの大統領選の決選投票が20日に実施され、汚職撲滅を訴えた中道左派セミージャ運動のベルナルド・アレバロ氏(64)が当選した。アレバロ氏は中国とも友好的な関係を築く方針で、台湾の孤立化を狙う中国の切り崩し工作が加速する可能性がある。
断交相次ぐ中
選管当局によると、開票率100%で、アレバロ氏の得票率は58・01%。敗れた中道左派国民希望党のサンドラ・トレス氏(67)は37・24%だった。任期は来年1月14日から4年。アレバロ氏は当選後の記者会見で中台との関係について「どちらかを選ぶものではなく、両方と働いていく」と語った。
中南米では2017年以降、ホンジュラスなど5か国が台湾と相次ぎ断交し、中国と国交を樹立した。現在、台湾と外交関係を結ぶ13か国のうち、中南米・カリブ地域には7か国が集中し、中でもグアテマラは人口や経済規模が最大だ。
アレバロ氏は7月下旬、米国の調査研究機関との対談で「台湾と外交関係を維持しながら中国との貿易を拡大する」と語った。
その後の読売新聞の取材に対しても、「我々は台湾と中国のどちらかを選ぶつもりはない。両方だ。中国とは関係を維持し、拡大する」と述べた。現在のジャマテイ政権は台湾を「独立国」と承認し、中国側の反発を買ったが、アレバロ氏は「私の政府は独自の外交政策を持ち、腐敗したジャマテイ大統領の外交とまったく異なるものになる」と断言。「我々は決して中国と対立しない」と続けた。
一方、トレス氏は読売新聞の取材に対し、「台湾との関係は地政学的な戦略として重要だ」と外交関係を堅持する方針を示していた。
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グアテマラの対中貿易はここ10年で3・7倍に増加し、輸入額は米国に次ぐ規模となっている。中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)は、若い先住民女性の教育支援のために200台のタブレット端末を寄贈し、学生に情報技術関連の訓練を行っている。
「くら替え」促す 中国外務省の 毛寧 ( マオニン ) 副報道局長は3月末、「グアテマラも(ホンジュラスのように)一刻も早く正しい決断を下すと信じている」と語り、「くら替え」を促した。
大統領選を巡っては、汚職撲滅を訴えるアレバロ氏に対し、検察当局がセミージャ運動の党員登録に不正があったと告発するなど、現政権による選挙妨害が指摘されている。
検察側は選挙後も政党に対する捜査を継続し、「逮捕の可能性も排除しない」と説明した。選挙監視に当たった米州機構(OAS)は「選挙の自然な流れを阻害し、国民に不利益をもたらす」と懸念を表明した。』