米英のフーシ攻撃で安保理会合 国連総長、自制求める

米英のフーシ攻撃で安保理会合 国連総長、自制求める
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1306J0T10C24A1000000/

『【ニューヨーク=佐藤璃子】国連安全保障理事会は12日、米英両軍がイエメンの親イラン武装組織フーシの関連施設を軍事攻撃したことを受けて緊急会合を開いた。会合開催を要請したロシアは「国連憲章に違反している」と米英による攻撃を非難した。米英は「必要かつ適切な行動をとった」と主張した。国連のグテレス事務総長は声明で、事態の悪化を防ぐよう求めた。

グテレス事務総長は12日、会合に先立って声明を発表した。「紅海周辺における商船攻撃は容認できるものではない」としたうえで「すべての当事者に対し、事態をこれ以上エスカレートさせないよう求める」と自制を求めた。

ロシアのネベンジャ国連大使は12日の会合で「(フーシ拠点の攻撃は)あからさまに国連憲章に違反している」と非難した。「こうした地域情勢の悪化を避けるためにも我々は一貫してパレスチナ自治区ガザでの即時停戦を求めてきたが、米国が幾度にもわたり妨害した」と紅海周辺の混乱の背景にはガザにおける戦闘があることを指摘し、停戦決議案に拒否権を行使し続けている米国を批判した。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「我々の攻撃は国際法に沿ったものであり、国連憲章にのっとった自衛権の行使だ」と反論。フーシが攻撃した商船のほとんどはイスラエルとは無関係であり、紅海周辺におけるいかなる攻撃も容認できないと主張した。』