不動産の次は金融。中国シャドーバンク大手、中植が破産申請。

不動産の次は金融。中国シャドーバンク大手、中植が破産申請。
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/33217734.html

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中国のシャドーバンキング(影の銀行)大手、中植企業集団が破産申請を行った。ピーク時の運用資産が1400億ドル(現在の為替レートで約20兆2600億円)を超える巨大企業だったが、深刻化する不動産危機にのまれ、急激に転落し破綻した。

申請を受理した北京市第一中級人民法院は5日、中植は「明らかに」債務返済能力を欠いていると文書で指摘した。昨年11月の投資家向け書簡によれば、監査の結果、中植の債務は最大4600億元(現在の為替レートで約9兆3100億円)で、資産は2000億元だった。

中植の破産申請は中国史上最大の破綻劇の一つで、既に不安定な消費者心理や投資家のセンチメントに一層の負荷をかける。不動産市場の落ち込みや内需の弱さ、貿易不振が中国経済の重しとなっている。中国の主要株価指数は2023年、通年ベースで3年連続下落した。

中植が金融市場を最初に懸念させたのは昨年8月。傘下の信託会社、中融国際信託が複数の高利回り投資商品に関して顧客への支払いができず、北京市内で抗議活動が起きた。

中国当局は昨年11月、中植系の資金管理事業について刑事捜査に着手したと発表。中植はその数日前、バランスシート上で364億ドルの資金不足に陥っており、「深刻な支払い不能状態」にあると投資家に説明していた。1月5日の営業時間外に同社にコメントを求める電子メールを送ったが、返答はなかった。

中植のような影の銀行は、一般世帯から集めた資金で融資を提供したり、不動産や株式、債券、商品に投資したりなどしている。

こうした企業への規制は緩く、競合する信託会社がここ数年リスクを縮小する中でも、中植とその関連会社、特に中融国際信託は経営難に陥った不動産開発会社への融資を拡大。中国恒大集団などの企業から資産を買い取っていた。

———- 引用終了 ———-

中国のシャドーバンクが破産しましたねぇ。不動産の次は、金融です。シャドーバンクの定義は、国によって細かなニュアンスの違いがあるのですが、中国の場合には、銀行などの金融機関とは違い、一般から広く金利を餌にして資金を募り、それを投資運用する事で利益を出す理財商品を扱う金融機関を差します。預金という事ではなく、あくまでも、お金を預ける方もリスクを承知した上で、積極的な投資で運用し、高金利な利息を支払う企業です。つまり、銀行などが健全性を担保する為に課されている資本比率などの制限が緩く、まぁ、はっきり言うと殆ど制限無く投資運用する投資会社です。そして、この会社は、投資する対象の比率で、不動産投資の比率がダントツで高く、債務超過に陥ったという事ですね。

明確に破産していないものの、出資者に約束した金利の支払いを滞らせているシャドーバンクは、多々あります。中国の富裕層の恐ろしいところは、「あがり」の資産を築いても、こういう理財商品で約束が履行されず、一気に破産するリスクが、生きている限り存在する点です。契約が速やかに履行される保証が無いので、いつ踏み倒しに遭って、すっからかんになるか判りません。

それと、良く間違われるのですが、中国人の富裕層の財産というのは、現金ではなく、不動産だったりします。不動産を担保にして、再投資していたりするので、不動産価値が下がったりすると、あっという間に追い詰められたりします。つまり、部屋持ちで10戸を回していて、財産で言えば億持ちでも、現金は数百万しか持っていないとか、下手すると借金して不動産を買っていて、債務が億単位であったりします。不動産が値上がりする前提で、借金してまで買ったのですが、既に不動産価値の逆転は起きていて、富裕層から貧困層への転落も簡単に起きます。資産という事で言えば、借金をしていても、保有している不動産の合計で富裕層に勘定されているだけです。

つまり、何かしらの幸運で、財産を作った中国人が、海外に資産を逃がそうとするのは、こういう理由があります。銀行が堂々と預金していた顧客の口座に手を出したり、色々と難癖をつけて引き出せないようにして、事実上の預金封鎖を行い、それを行政も裁判所も認めるといったふうに、中国では立派な法律がありますが、その法律が適用されるとは限りません。つまりは、共産党の匙加減で処置が決まります。なので、中国の銀行に預けている限り、いつ横領されるか判らないのです。国営5大銀行でも、それは同じです。地方銀行なら、言わずもがなです。それが罪にならないんですよね。何しろ行員が横領事件を起こして立件されても、「行員が勝手にやった事で、銀行は知りません」で責任が問われず、裁判で原告が負けるのが中国です。雇ってる銀行の管理責任が問われないのですね。もちろん、横領された顧客は、泣き寝入りです。しかし、中国の法律上では、こういう事は、もちろん認められていません。法律の上に共産党の意向があるというだけです。

不動産関係の融資焦げ付きは、個人・不動産業を問わず、相当な数に登っているはずです。実はアリババのオークション・サイトで、銀行が回収を諦めた不動産債権が、割引価格で競りにかけられていたりします。この数が、近年、爆増していまして、不良債権として抱えていると、更に地価の相場が下がって、損が膨らむので、赤字でも良いから債権を誰かに丸投げしたい銀行が、ものすごい勢いで増えています。日本だと、銀行の子会社の債権回収会社が、債権買取をして代行するところですが、中国ではオークションにかけられて、普通に競り落とす事ができます。そっから先は、「荒っぽいお兄さん」が、あらゆる手段を使って債権回収をするのは、想像に難くありません。

経済の動脈である銀行が頓挫すると、次は経済の担い手である企業が壊死し始める番です。ここに至って、銀行からの企業融資は、共産党の命令で、国営企業が優先されており、民間企業は融資を受けるのが難しいです。今の国営企業なんて、石炭採掘とか、鉄鋼業とか、製産し過ぎて余ってしまい、ダンピング価格で世界市場を荒らしている状態です。つまり、利益を産まない産業に、潰さない為に優先的に融資をして、自ら首を絞めている状態です。個々の銀行が正当に企業価値を分析して融資を決めていないので、ここでもイデオロギー優先の狂った運用がされています。つまり、自主性が金融機関に無いので(政府からの保護と引き換えに売り渡している)、必要な投資が成されず、旧態依然の産業の延命に資金が使われているという事です。共産党体勢で仕組みだけ資本主義を取り入れた経済構造の闇と言えます。』