米原油先物、一時4%高 イラン爆発・リビア油田停止で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN040B60U4A100C2000000/

『【ニューヨーク=竹内弘文】3日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は反発し、代表的指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物(2月物)は一時、前日比4%高の1バレル73.23ドルと急騰した。イランの爆発で中東情勢の緊迫が意識された。リビアの主要油田の操業停止も原油高に拍車を掛けた。
イラン南東部ケルマンで3日、複数の爆発が発生して95人の死者が出た。現場は2020年1月に米軍が殺害した革命防衛隊のソレイマニ司令官の墓の近くで、3日には追悼行事があった。犯行声明は出ておらず背景は不明だが、中東地域での地政学リスクの高まりを背景に原油買いを誘った。
ロイター通信によると、リビアのシャララ油田が地元住民による抗議活動で操業停止に追い込まれた。同油田は日量30万バレルの生産能力を持つ。需給の引き締まりを連想させたことも、価格押し上げの要因となった。
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志田富雄
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説
このところの原油相場の下落は世界的な景気減速で石油需要が鈍化し、供給過多になるとの見方が背景にあります。その「供給」の中にはイランからの輸出増加分も含まれています。
経済制裁を受けるイランの原油は位置情報システムのスイッチを切って航行するタンカーで輸出されることが多く、正確な数字はつかめません。それでも昨年夏場には輸出量が一時日量200万バレル(NGL=天然ガス液を含む)程度まで回復したとみられています。その多くは中国向けとされます。
当面は景気が相場の重しになっても、イランやリビアの供給が大きく減れば石油市場のシナリオは変わります。
2024年1月4日 12:08 (2024年1月4日 12:09更新) 』