中国、国防相に前海軍司令官起用 10月以来の空席解消
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM26A570W3A221C2000000/
『中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は29日、前海軍司令官の董軍氏を国防相に起用すると決めた。前任の李尚福氏を10月に解任して以降、軍事外交を担う国防相は空席が続いていた。南シナ海や台湾海峡での米中の緊張を緩和できるかが優先課題になる。
中国国営新華社が伝えた。習近平(シー・ジンピン)国家主席が人事に関する主席令に署名した。
董氏は海軍の副参謀長や、南シナ海を含む南方を管轄す…
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『董氏は海軍の副参謀長や、南シナ海を含む南方を管轄する「南部戦区」の副司令官を経て2021年に海軍司令官に着任した。習指導部は海洋進出を拡大するため、空母や強襲揚陸艦を含む海軍の戦力を急ピッチで増強してきた。
国防相は中国軍制服組のナンバー3にあたり、各国の国防トップや軍幹部との交流を担う。
南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島のアユンギン礁近くでは中国船がフィリピン船に放水銃を発射するなど、中比の応酬が続く。フィリピンの同盟国である米国は警戒監視のため周辺に艦船を派遣。米中の偶発的な衝突リスクがくすぶる。
台湾海峡も同様だ。習指導部は台湾統一を事実上の公約とし、周辺の海空域で軍事演習を重ねるなど圧力を強めている。米軍の対潜哨戒機「P8A」は6日に台湾海峡上空を通過し、中国軍の動きをけん制した。
全人代常務委は10月に李氏を解任した際、その理由を説明しなかった。同氏は8月末に北京で開いた国際会議で演説後、動静が不明だった。ロイター通信は9月、装備品調達を巡る李氏の汚職の疑いを報じていた。
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