紅海襲撃、世界の輸送能力2割減も インフレ再燃の恐れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2108D0R21C23A2000000/
『【ニューヨーク=朝田賢治、吉田圭織】親イラン武装組織フーシによる商船の襲撃が相次ぎ、紅海やスエズ運河の通航を避ける動きが広がっている。すでに少なくとも120隻のコンテナ船が迂回路を選択し、世界の海上輸送能力は2割減少するとの見方も浮上している。企業からは配送の遅れによる供給網混乱や、コスト増による物価への影響を懸念する声が上がっている。
海上コンテナは世界の物資輸送の3割を担い、金額ベースの輸送…
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『上野泰也のアバター
上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
ひとこと解説
武装組織フーシ派による商船襲撃の増加で紅海を経由する輸送ルートが使いにくくなり、アフリカ南端の喜望峰経由の迂回ルートを使うことになると、一種の供給制約が生じてインフレ圧力になるのではないか。
そうした観点から大きめの扱いで報道したメディアもあったが、これまでのところは金融市場全体に大きな影響が出てくる材料にはなっていない。12月19日の米原油WTI先物はこの材料で買われたが、前日比+1ドル未満。翌20日も同様だった。
また、海運運賃の代表的指標であるバルチック海運指数(BDI)は、21日にかけて7営業日続落している。
2023年12月22日 7:41 (2023年12月22日 7:41更新)』