テスラが200万台リコール、米最大級 「自動運転支援」で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN13DF30T11C23A2000000/
『【ニューヨーク=堀田隆文】米電気自動車(EV)大手テスラが米当局に200万台以上を対象とするリコール(回収・無償修理)を届け出たことが13日分かった。当局が同社の運転支援システム「オートパイロット」について、運転手の誤使用を防ぐ対策が十分ではないと判断した。テスラにとって、米国で過去最大規模のリコールとなる。
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テスラの主力4車種とも、リコールの対象となっている。2012?23年に生産した「モデルS」、16?23年の「モデルX」、17?23年の「モデル3」、20?23年の「モデルY」で、テスラが米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)に12日付で届け出た書類によると、リコール台数は計203万1220台となる。
テスラの22年の世界販売台数は約130万台。米調査会社によると、米国販売はそのうち約4割にあたる50万台超だった。米国で現在走っている大部分のテスラ車がリコール対象になった可能性がある。
NHTSAは、テスラのオートパイロットについて、ドライバーの誤使用を防ぐための対策が十分ではなく、これが衝突などのリスクを高めていると判断したもようだ。
テスラのオートパイロットは作動中も運転手による常時監視が必要で、日米などの自動運転技術の基準では「レベル2」にあたる。レベル4や5といったシステムが主体となって運転を代行する技術ではない。米当局は今回、危険を招きかねない状況で運転手へ警告を鳴らすなどの機能が不十分だと説明した。
テスラは所有者に無料のソフトウエアアップデートを提供し、リコールに対応するとしている。
テスラのオートパイロットについては、名称が「完全自動運転が可能だ」という誤解を生んでいるとの指摘も多い。米国内では衝突事故も起きている。こうした状況をうけ、NHTSAは21年から今回のリコールにつながる調査に乗り出したとしている。
2023年11月には、19年の衝突事故を巡る訴訟で、南部フロリダ州パームビーチ郡巡回裁判所の判事が、テスラがオートパイロットに欠陥があると認識しながら適切な措置をとらなかった可能性があるとの判断を示した。
テスラは自動運転支援・高度運転支援技術について、実用化を急ぎ、顧客のフィードバックを開発に生かしていく方針だ。技術を市場投入してから試行錯誤していく姿勢に批判もある。
13日の米株式市場でテスラ株には売りが膨らみ、前日比で一時3%を超えて下げる場面があった。
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浅川直輝
日経BP 編集委員
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分析・考察
NHTSAは過去の衝突事故の調査から、ドライバーがオートパイロットを過信した結果として注意力が低下し、回避行動を怠っていた可能性を指摘していました。テスラのリコールはこの指摘に対応したものと思われます。
自動運転に限らず、AIサービスを提供するうえでは、ユーザーの期待値を適切に制御する必要があります。IT企業がAIに「コパイロット(副操縦士)」「サポート役」などと表現しているのは、責任主体が人間にあることをユーザーに認識してもらう意味もあります。テスラの「オートパイロット(自動操縦)」という呼称は、ユーザーの期待値を過度に高める(あるいは規制当局に批判される余地を生む)点で問題がありました。
2023年12月14日 7:50 』