バフェット氏投資会社、GM株全売却 手元資金は最大に

バフェット氏投資会社、GM株全売却 手元資金は最大に
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『【ニューヨーク=竹内弘文】著名投資家ウォーレン・バフェット氏が新たな投資機会を探りあぐねている。同氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイは7?9月期に米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)株をすべて手放したほか、保険会社の保有も大幅に減らした。他方、新規投資は限定的で手元資金は過去最高水準に積み上がる。

ゲーム大手株も全売却

14日夜に米証券取引委員会(SEC)に届け出た2023年9月末時点の保有銘柄リストによると、6月末時点で8億4800万ドル(約1300億円)相当保有していたGM株の保有株式数がゼロになった。同銘柄は4?6月期にも株式数を45%減らしていた。

米ゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの株式もすべて売却した。英国の独占禁止当局による承認を経て、米マイクロソフトのアクティビジョン買収のメドがたった前後で売却したとみられる。同買収案件は10月に完了した。

米石油大手シェブロン、米IT(情報技術)のアマゾン・ドット・コムやHPなど幅広い業種で保有株式を削減する動きがみられるなか、目立ったのが保険株の売却だ。エーオンは5%、マーケルとグローブ・ライフはそれぞれ7割近く、保有株式数を減らした。バークシャーは損害保険事業を抱えている。経営環境の見通しが保険株の投資判断に影響した可能性はありそうだ。

積み上がる手元資金 金利収入は配当上回る

一方で新たな株式取得は限られた。保有株リストには野球チーム運営アトランタ・ブレーブスの株式800万ドル相当が新たに掲載されたが、既存の投資先である米メディア大手リバティ・メディアが7月にアトランタ・ブレーブスを分社した影響だ。

11月4日に公表した7?9月期決算によると、株式売買動向は52億5300万ドルの売り越しとなった。バフェット流投資の核は、企業の本質的価値と株価水準を比べて長期投資の機会を探るというもの。7?9月期は長期金利の上昇などの逆風で米株価指数は下落したが、全体としてまだ割高感が強いとみている可能性がある。

結果としてバークシャーの投資待機資金は積み上がる。現金同等物に、余裕資金で購入している米短期債の保有額を合算した金額は9月末に1572億4100万ドルとなり、過去最高を記録した。利上げによる短期債の利回り上昇で、7?9月期の金利収入は保有株式の配当収入を上回った。比較できる15年以降で初めてという異例の事態だ。投資機会の乏しさを映している。

米国の大手機関投資家は四半期ごとにSECに「フォーム13F」という報告書を提出し、保有銘柄を開示する義務がある。主に米国で上場する銘柄が報告対象だ。バークシャーが保有する日本の総合商社などは対象外で、上場株ポートフォリオ全体を表すものではないが、投資行動が垣間見えるため注目度が高い。

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バフェット氏

著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイの投資動向や解説、同氏に学ぶ投資術に関する記事をまとめました。

ウォーレン・バフェット氏(Warren Buffett) 1930年、米中西部ネブラスカ州のオマハに生まれる。6歳からガムを売り歩き、11歳で株式投資を始めた。「割安株投資の父」ベンジャミン・グレアム氏に感化されて投資家の道を志す。1965年に繊維会社だったバークシャー・ハザウェイの経営権を握り、同社を母体に投資や事業投資を展開して財を築いた。優良銘柄を本質的価値より低い価格で買う投資スタイルで知られ、「オマハの賢人」との異名を持つ。大富豪ながら質素な生活で知られ、コーラとハンバーガーを好む。

バフェット氏投資会社、GM株全売却 手元資金は最大に(6:08)
バフェット流投資、金言に学ぶ この半年の運用戦略も総点検 11時30分から生配信(0:00 更新)』