イスラエルに届くロケット弾/SSMの保有量において、ヒズボラは…。

イスラエルに届くロケット弾/SSMの保有量において、ヒズボラはハマスの10倍である。
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『Tom Holsinger 記者による2023-11-4記事。
   イスラエルに届くロケット弾/SSMの保有量において、ヒズボラはハマスの10倍である。
 しかもレバノンの方が、イスラエルの主要大都市には距離が近い。

 かたや、イスラエルが配備している「アイアンドーム」用のSAM「タミル」は、ガザ方面により多く、補給されている。※ヒズボラとは2006に大戦争して、手打ちがなされている。さらに今回は米国の2個空母艦隊も近くに派遣されて、いつでもレバノンを空爆できる態勢なので、ヒズボラは動くまいと考えられている。

 ハマスを退治する方法は地上侵攻しかない。これについて数字的に参考にできるのは1945年のマニラ市を巡る日米両軍の戦いである。

 当時、マニラの人口は100万人。そこに日本軍1万7000人が立て籠もっていた。
 攻めた米陸軍は、2個歩兵師団と、1個空挺師団であった。

 今のガザには、住民が230万人を数える。ハマスのコアな戦闘員は1万5000人だろう。そしてそれとほぼ同数の「補充要員」が控えている。武器を与えられればいつでもそれを使おうという連中だ。

 これに対して、市街戦に投入可能な現役のイスラエル軍部隊は、19個歩兵旅団と1個空挺旅団。これを昔風の師団数に換算すれば6個に相当しよう。

 マニラ市の攻防は、1ヵ月続いた。10万人以上の比島市民が巻き添えで死亡した。そのうちすくなくも4万人は、米軍の砲撃で死んだと考えられる。

 ※これはマッカーサーが必死で歴史を隠蔽したあとの数字で、じっさいにはほとんどが米軍の砲爆撃のせいだと考えられる。総数に関してもこんなもんじゃない可能性がある。しかしこれに関しては驚くほどに史料は残されていない。マックが徹底的に湮滅させたのである。

 「公式」記録では、マニラ攻防戦における米兵の死者はたったの1000人。戦傷は5600人。
 負傷した市民は25万人であったとされている。

 このマニラの比率をそのまま、今のガザにあてはめ、戦闘が2ヵ月続くと仮定するなら、住民は27万6000人が死亡し、イスラエル兵は2300人死亡、1万2900人が負傷するであろう。その死傷兵数は、ヨムキプール戦争(第四次中東戦争)の「1万1000人」に近似する。

 マニラとガザでは、単純な比較はなりたたない。というのは、都市攻囲では、「上水」の供給が決め手になることが多いのだ。ガザ市への上水供給は、簡単に止めることができる。人は、水なしでは5日しか生きられない。

 ※1941末のシンガポール攻略でも、まっさきに給水施設を狙えばもっと早く片が着いたのに、日本軍がそこに気付くのが遅れて手間取った。当時の参謀どもは、過去の日本戦史からも学びそこねていたことが分かるのである。

 ハマスは「死のカルト」であるとしか思えないところがあり、同胞住民を平然と殺すことができる。このたびも、ガザ市心から南方へ避難しようとする非戦闘員の住民を、ハマスが自動車爆弾によって阻害しているビデオが撮られている。

 ガザの地下トンネル網は、状況を一層、不透明化する。トンネルを利用しているのがハマス戦闘員なのか、砲爆撃から避退している住民なのか、はたまた人質なのか、地上からは分からない。

 「大虐殺」を回避したくば「スポンジボム」を多用するしかない。これは特殊な梱包で、穴に投げ込むとバイナリー成分が混和されて、たちまち発泡コンクリートを生成。速乾すると、厚さが5mから10mの壁となって、狭いトンネルをガッチリと閉塞してくれる。
 ある試算。イスラエル軍の9個旅団がガザ市街のトンネルを潰す作業は10日から14日かかり、その間、毎日、300人の兵隊が死傷するであろう。

 ということは2ヵ月したら、旅団の死傷率が22~31%にもなるので、最初に投入した9個旅団は、ガザ市街の半分を掃蕩した段階で、別な9個旅団と交代させないといけないだろう。

 トータルで、ガザの脅威廓清までには、6000~8000人のイスラエル兵の死傷が予測される。

 1945年にアーヘン市を攻めたとき、および2004年にファルージャを攻囲したとき、米軍も、住民を巻き添えにしない方法について苦心したものだ。

 平定されたガザ市街の生き残り住民の面倒をみようという外国はどこにもないから、けっきょくまたイスラエル軍が軍政を布くしかない。しかし2005年と同じことが再現されるだろう。ガザ市民はイスラエルを憎んであらゆるイヤガラセを続け、けっきょくイスラエル軍は出て行く。

 ※そのあと、ガザではファタハの人気が低下して、より過激なハマスが実権を握った。ISのパターンと同じ?

 ゲリラでない住民であることを識別しやすくするため、ペットの耳などに埋め込む、米粒大の「Pet-ID」マイクロチップを人間に適用したらどうかという話まで出ている。このチップは体温を受け取って発電し、電波を出す。数十m離れても検知できるという。』