原本、謄本、正本等の使い分けについて

原本、謄本、正本等の使い分けについて
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 ※ 今日は、こんな所で…。

 ※ ここに説明されている通りなんだが、それでも「分かりにくい」と思う…。

 ※ 原本と正本の違いは、「判決書」で考えると、ちょっと分かりやすいと思う。

 ※ 「判決原本」は、1個しかない(判決書のオリジナル1個だけ)。
   通常、裁判所内に保管される。

 ※ しかし、「判決の法律的な効力」を乗せたままで、原本保管場所以外でもその効力を使いたい場合がある。

 ※ 例えば、「被告○○は、原告○○に対して、金○○円を支払え。」という判決の効力を、「動産執行」(金目の動産に対して、強制執行をかける)に使いたいとする。

 ※ そのばあい、「確定判決」の「正本」を執行官というお役人に示して、強制執行を実行してもらう。

 ※ こういう場合に、使うのが「正本」だ。「原本」は、持ち出せないので、「正本」を作って、使うわけだ。

 ※ それが、『「正本」とは、謄本の一種で、公証権限のある者が作成した原本の写しのことをいい、法令によって原本と同じ効力を与えられたものです。例えば、判決書の場合、裁判所書記官名で「これは正本である。」と認証したものが判決正本となります。』と説明されているところのものだ。

 ※ 官報も、各種の「行政手続き上の効力」が発生するものだ。

 ※ その「正本」は、これまでは「紙製」のものとされていたが、いよいよ諸般の環境も整ってきたので、「電子データ」化されたものを、「正本」として取り扱うことに閣議決定した…。

 ※ よって、「電子データ正本」にも、各種行政上の効力が乗っていることになりますよ…。国民各位様、よろしいですね…。

 ※ そーいう話し…。

『2020.06.29
皆様、こんにちは。

今回の青山通信は、原本、謄本、正本等の使い分けに関する情報をお届けします。

 皆様こんにちは。弁護士の輪倉です。

 今回は、文書の「原本」、「謄本」、「正本」等の用語の使い分けについて説明いたします。

1 原本

 まず、「原本」とは、文書の作成名義人が作成した文書のことで、最初に作成されるオリジナルの文書のことです。これはイメージしやすいと思います。

 ただし、原本は必ずしも1通のみとは限りません。例えば、当事者間で同一内容の契約書を2通作成した場合には、原本が2通存在することになります。

2 謄本

(1)原本と謄本の違い

 「謄本」とは、原本に基づいて作成された原本の記載内容全部の写しです。要するに「原本の内容全部をコピーしたもの」といえます。

 例えば、不動産登記簿謄本(登記事項証明書)、戸籍謄本などがあります。これらの原本は法務局、市役所にあるため、内容全部の写し(謄本)が交付されることになります。
 なお、謄本のうち、法令上の権限のある者が職務上の権限に基づいて作成して、謄本である旨認証したものを「認証ある謄本」といいます。

(2)謄本と抄本の違い

   原本の記載内容の「全部」の写しが謄本であり、「一部」の写しが抄本です。

3 正本

(1)正本と謄本の違い

 「正本」とは、謄本の一種で、公証権限のある者が作成した原本の写しのことをいい、法令によって原本と同じ効力を与えられたものです。例えば、判決書の場合、裁判所書記官名で「これは正本である。」と認証したものが判決正本となります。

 正本は特別な謄本ともいえるため、通常1通しか作成しませんので、正本は紛失しないように保管することが必要です。これに対し、謄本は複数作成することがあります。

(2)正本と副本の違い

 「正本」には、「正本」と「副本」という使い分けをする場合があります。

 この場合における「副本」は、正本と同一の内容のものであって、正本とは別に控えとして作成されたものをいいます。

4 写し

 「写し」とは、原本に基づいて作成された原本の記載内容を有する文書のことです。
単に「写し」という場合は、「認証のない謄本」と同義で用いられることが多いです。

 似たような用語で紛らわしいですが、各用語の違いを押さえれば比較的理解しやすいと思いますので、区別して使い分けてみてください。』