中国軍制服組トップ、台湾巡り米けん制「手加減しない」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM3022Y0Q3A031C2000000/
『【北京=田島如生】中国軍制服組トップの張又俠・中央軍事委員会副主席は30日、北京市内で講演した。「誰がどのような形で台湾を中国から分裂させようとしても中国軍は決してそれを受け入れず、決して手加減しない」と述べた。台湾への武器売却を続ける米国をけん制した。
中国が31日まで北京で開く多国間の安全保障会議「香山フォーラム」で語った。同フォーラムは軍事外交を担う国防相が基調講演するのが通例だ。李尚福氏…』
『李尚福氏の24日の解任に伴い空席が続いており、軍内の序列が格上の中央軍事委副主席が代行した。
張氏は「台湾は中国の核心的利益の核心だ」と強調した。台湾が中国の一部分であるという「一つの中国」原則が「国際社会の合意事項だ」と訴えた。米国を念頭に「重大かつ敏感な問題で他国を意図的に挑発してはならない」と主張した。
米国との軍事交流の拡大に意欲も示した。「相互尊重、平和的共存、ウィンウィン協力の原則に基づき、中米軍事関係を発展させたい」と話した。
フォーラムは米中国防当局の接触があるかが焦点になる。香港紙などによると、米国の代表団として米国防総省の中国担当幹部シンシア・カラス氏らが出席している。
米中の国防対話は2022年8月、当時のペロシ米下院議長が台湾を訪問して以降、途絶えた。米国は23年6月、シンガポールで米中国防トップの会談を打診するも、中国側は米国による李国防相(当時)への制裁を理由に拒否した。
李氏の解任により、対話の障壁の一つが解消された。ブリンケン米国務長官は10月26〜27日、訪米した中国の王毅(ワン・イー)共産党政治局員兼外相とワシントンで会い、国防対話の再開を改めて求めた。
フォーラムにはロシアのショイグ国防相ら90以上の国や国際組織の代表が参加している。』