李克強前首相(68)が心臓病で死去

李克強前首相(68)が心臓病で死去
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/32725130.html

『衝撃ですね。私の頭に、真っ先に上がった言葉は、「殺られた」です。恐らく、ある程度、中国の政治に関心のある人で、暗殺を疑わない人は皆無なんじゃないでしょうか。李克強氏は、その行いから強制しなくても、人民から慕わられる政治家でした。災害が起きれば、現場に足を運ぶという事を行い、必要な政策を指示する現場主義の人で、実際に災害現場で氏を見かけた人民も多いです。出生を問わず、勉学の成果で評価する共生団(中国共産主義青年団)出身で、経済のエキスパートでした。氏が十分に活躍できる権限を任せてもらえれば、今の中国経済もソフトランディングしていた可能性がありました。しかし、氏が首相の時の国家主席が習近平氏だったので、全てが無茶苦茶になりました。恐らく、前任の胡錦濤氏が、その任に当たらせる為に置いていった懐刀です。

多くの面で強制しないと評価されない習近平氏とは対照的な人で、良く比較されるので、首相在任中は、徹底的に無視されるという扱いを受けました。まぁ、はっきり言って嫉妬です。中国共産党内のテリトリーとして、党の最高責任者は国家主席、内政の最高責任者は首相と、役割が分かれています。つまり、国内経済の施策は首相の領分です。しかし、自分の思い通りに国を動かしたい習近平氏は、課題ごとに委員会を設立し、その委員長に収まり、李克強氏を排除するという方法で、実質的に権限を奪いました。なので、有効な施策を思うようには打てなかったのです。

例えば、習近平氏は、命令して習近平思想を学ぶ事を義務化しないと、学んでくれる人がいません。それが本人も判っているので、小学校の道徳の時間から始まり、大学の入試試験科目にまで入れ込み、学ばずに社会で身をたてる事が難しくしています。中央政府の官僚には、学んでリポートを提出する事を義務付けたり、月に一回の習近平思想勉強会を主催したり、とにかく学習の強制をする事で、「偉大な指導者」という名分を得ようとしています。全て、強制された学習です。その為、学ぶ側に意見を求める場ではなく、一方的な習近平氏の独演会になっています。つまり、怖れられていても、人望が無いのです。

水害に見舞われた時、習近平氏も現地視察をする時がありますが、多くは訪問される村民は役者、訪問したとされる場所も、被災地ではなく、絶対に危険の無い別の地域か、映画のセットだったりします。周りの人間はエキストラで、人民に声をかける指導者という演出で、決められたセリフを喋っています。それを、大々的に政府広報メディアで、宣伝する事で「偉大な指導者・人民の代表」という演出をするわけです。こういう仕事を専門に行う共産党の宣伝部は、政府部門の格としては上位におかれて、どのプロジェクトにも顔を突っ込みます。最終的に成果をどう宣伝するかが重要で、真実は二の次だからです。特に事故や災害が起きた時、実態をどう誤魔化して宣伝するかが、この部門の腕の見せ所です。武漢肺炎が流行った時、現地で対策委員会が結成されましたが、保健衛生の専門家がおらず、保安部門と宣伝部が含まれていたのが、中国社会の性質を良く示しています。

李克強氏は、実際に長靴を履いて、被災地を訪問します。跳ねた泥で下半身は泥だらけです。そこに嘘が無いので、現地で確かに見かけた人がいるし、人民に信頼されるのです。それが、権力闘争で頭が一杯な習近平氏には解らず、人気に嫉妬して、権限を奪う事でしか対抗できないんですね。実際、李克強氏の「嘘の無い」被災地視察を報道する時、党のメディアは、泥に塗れた様子を揶揄して、「中国共産党の指導者として、みすぼらしい」なんて報道をしました。氏が人気である程、比較される習近平氏の評価が下がるからです。

確かに元々、体が丈夫なほうではなく、腎臓・肝臓疾患、糖尿病という持病持ちであるとは言われていましたが、このタイミングで心臓病で急死するかと言われると、高齢で歩行困難が確認できていた胡錦濤氏と違って、直近の映像では普通に旅行とか、引退ライフを楽しんでいましたからねぇ。紅二代(1949年の新中国成立の前に共産革命に参加し、日中戦争や中国国民党との内戦で貢献した幹部たちの子女)である習近平氏と違って、権力的なバックアップが無かったので、首相で経歴が終わってしまいましたが、中国経済の崩壊ではなく、穏やかなクロージングを実行できる可能性のあった人物だけに残念でなりません。少なくても、習近平氏のように、躾の悪い犬のように海外に喧嘩を売りまくったり、領土紛争を焚き付けたり、香港を約束を違えてまで併合は、しなかったでしょうねぇ。

真実が表に出てくる事は無いでしょうが、ロシアのゴルバチョフ元書記長が亡くなったのと、同じくらい衝撃です。やはり、世の中は、良くも悪くも次のフェーズに移っていて、その時代を生きていかないといけないのでしょうねぇ。悪い想像が働くと、ちょっと前にあった「共産党の高官の逝去の報があった時、弔意を示す為に主なSNSの背景を灰色か黒に変えるテストをしておけ」と共産党からIT企業に指示があった件(過去にブログで記事にしています)は、この為かとも思ってしまいます。』