国民年金、給付水準の低下抑制 保険料納付5年延長案も

国民年金、給付水準の低下抑制 保険料納付5年延長案も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA232A80T21C23A0000000/

 ※ 今日は、こんな所で…。

 ※ もらえる額と、老後の支出をしっかり計算して、「計画」を立てよう…。

 ※ 国民年金に上乗せする「2階部分」として、「国民年金基金」というものもある…。
 
 ※ 40歳になると、国民年金の人には、加入の「お誘い」なんかが、送付されてくる…。

 ※ オレは、その時に、大体計画立てて、準備した…。

 ※ 国民年金は、20歳から掛け金の積み立て開始、国民年金基金は、40歳から掛け金の積み立て開始…。

 ※ そこから、65歳の「年金支払い開始」まで、長い長い「積み立て生活」となるんだ…。

 ※ いずれ、「年金」とは、自分で積み立てて準備するもので、国や政府が授けてくれるものじゃ無い…。

 ※ その積み立てがうまくいかなくて、「老後の資金」に不足が生じたり、老後生活に困窮したりしても、「それまでの話し」だ…。

『全ての国民が加入する基礎年金(国民年金)の目減りを抑えるための政府の議論が本格的に始まった。保険料の納付期間を5年延ばしたり、厚生年金からの拠出を増やしたりする案が出ている。根本的な原因である給付の抑制が進まない現状を改める機運は乏しく、年金財政を立て直す道筋は見えていない。

公的年金は自営業者らが入る国民年金と、会社員向けの厚生年金などに大別される。厚生年金は報酬に応じて増減する部分が2階、基…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』

『厚生年金は報酬に応じて増減する部分が2階、基礎年金部分が1階と呼ばれる。このため基礎年金は全国民加入の年金の土台となる。

政府は高齢化で厳しい年金財政を支えるため、保険料の上限を固定し物価や賃金の伸びよりも支給額を抑えて給付する「マクロ経済スライド」を導入した。年金財政が健全化するまで、限られた財源の範囲内で年金を給付する措置だ。

しかしデフレ下では適用しないルールのため、導入後4回しか発動していない。結果として年金は想定より「払いすぎ」の状態が続いている。

給付の長期的な財源は仕組み上、限られているため、払いすぎはマクロ経済スライドの長期化で帳尻を合わせる必要がある。現状では基礎年金は46年度まで給付の抑制が続く見通しだ。現役男性の平均手取り収入に対する年金額の比率を示す「所得代替率」は、19年度の36.4%から46年度には26.5%と約3割低下すると試算されている。

厚労省は、実際は物価や賃金の動向に左右されるので「年金の実質的な価値はあまり下がらない」(厚労省幹部)と説明する。ただ給付水準が下がることは間違いない。

24日の社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の年金部会では、基礎年金の目減りを抑える案として保険料の支払期間を延長する案に賛同が集まった。現状の40年から45年に延ばす案で給付は底上げされる。

一方で基礎年金は国庫で半分の財源をカバーすることになっており、財政支出は増える。保険料の支払額も単純計算で100万円ほど増える計算で、国民の一定の反発は避けられない。

財政に余裕のある厚生年金から基礎年金への拠出を増やし、給付水準の引き下げを前倒しで終了させる仕組みも提案された。46年度まで続く目減りは33年度で終了し、所得代替率の低下幅は1割で抑えられる。ただ厚生年金から資金を回すという考え方が国民の賛同を得られるかは不透明だ。

ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫上席研究員は「マクロ経済スライドをデフレ下でも適用すべきだ」と話す。確実に給付の抑制を進め、想定以上の給付水準の低下を防ぐ有力な案だ。現実的には年金額のマイナス改定を許す案となるため、政治的なハードルは高い。

年金制度はほかにも課題が山積みだ。特に女性の労働参加に制度が追いついていない。会社員らの配偶者が加入する3号被保険者制度は、女性の就労を制約するとして見直しを求める声が強い。

公的年金だけに頼らない備えも選択肢になる。政府は少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)といった「自助」の活用を呼びかけている。

【関連記事】

・支給額抑制か年齢引き上げか 公的年金維持、各国苦慮
・国民年金の保険料、最終納付率が8割に到達
・新NISAとiDeCoの使い分け、年齢・目的・収入で判断

ニュースレター登録

多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

鈴木亘のアバター
鈴木亘
学習院大学経済学部 教授
コメントメニュー

分析・考察 国民年金に加入している自営業や農林水産業、フリーランス等の人々は、もともと少ない年金額が、未納期間等があってさらに不足しているが、今後、厚労省が予定通りの年金カット(マクロ経済スライド)を行うと、そこから約3割もの年金削減となる。

そこで、追加保険料を5年分払ってもらって、その分、年金額を増やそうというのが、議論されている案である。

しかし、国民年金加入者にとっては、今から余分に保険料を払わされるのであれば、将来が不安な公的年金ではなく、個人年金に加入したり、貯金を増やしたいという人もいるだろう。追加保険料を払いたい人だけが払う選択制にしてはどうか。しかし、そもそもこれは公的年金改革と言えるのか。

2023年10月24日 23:29 (2023年10月25日 7:31更新)』