国連事務総長「紛争の波及」懸念 レバノンの攻撃受け
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11DLE0R11C23A0000000/
『【ニューヨーク=佐藤璃子】国連のグテレス事務総長は11日、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラがイスラエルに越境砲撃を続けていることについて「紛争の波及を避けなければならない。レバノン南部からのイスラエルへの攻撃を懸念している」と表明した。ヒズボラはレバノン南部を拠点にするイスラム教シーア派組織で、イスラエルと敵対している。
ヒズボラは8日から断続的にイスラエルへ攻撃を加えており、イスラエルもこれに応戦するなど衝突の拡大が懸念されている。グテレス氏は「紛争の激化と波及を避けるよう、すべての当事者や影響力を持つ人々に訴える」と呼びかけた。
イスラム組織ハマスがイスラエルの民間人を人質として誘拐していることについても懸念を示し「パレスチナ自治区ガザで拘束されているすべてのイスラエル人の即時解放を求める」と強調した。
ハマスはイスラエル人や外国人を人質として連れ去り、イスラエルが攻撃するたびに人質を処刑すると警告している。グテレス氏は「一般市民は常に保護されなければならない。国際人道法が尊重されるべきだ」と述べた。
人道回廊設置の必要性についても言及し「ガザへの人道支援物資の搬入を許可しなければならない」と訴えた。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、イスラエル軍の空爆などで避難を余儀なくされているガザ住民は26万3000人を超え、前日から4割増加した。イスラエル政府がガザへの物資の供給を断っていることにより、65万人以上が深刻な飲料水不足の影響を受けているという。
グテレス氏の発言後、記者会見を開いたパレスチナのマンスール国連大使は「グテレス氏は多くの国や機関と協力し続けており、我々は感謝している」と述べ、「ガザにおける人道的な危機を回避するためには、人道的介入が必要だ」と訴えた。』