2024年の世界経済、成長率3%割れ 深まる停滞感

2024年の世界経済、成長率3%割れ 深まる停滞感
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0705L0X01C23A0000000/

 ※ 時系列からして、確か、ハマス・イスラエル衝突の前に配信された情報と思うんだが…。

 ※ いずれ、あまり「パッとしない」ことは、確かだな…。

 ※ ただ、「戦争」は、必ずしも「世界経済」に悪影響ばかりとも限らない…。

 ※ 「限定地域紛争」にとどまる場合、「経済活性化」にプラスに働く…、と考える人   もいるからな…。

『2023年10月10日 17:57

国際通貨基金(IMF)は10日、四半期に1度の経済見通しを公表した。中国やユーロ圏の減速を反映し、2024年の世界の実質経済成長率を2.9%とした。7月の予測から0.1ポイントの下方修正となる。世界貿易の低迷など低成長の影が色濃くなっており、IMFは5年後の成長率も3%前後にとどまると予測する。

世界経済の23年の成長率は3.0%で据え置いた。3%割れは00?22年に5回しか起きていない。ほとんどがリーマン・ショックや新型コロナウイルス危機などの大きな経済ショックを伴っている。

今回が過去と異なるのは、目立った大きな経済ショックがなく、高インフレが完全に沈静化しないなかでの減速である点だ。景気が想定外に落ち込んでも、各国政府や中銀が景気刺激策に踏み込めず処方箋は見いだしにくい。

大幅に予測を下げたのは中国だ。24年の成長率は4.2%と0.3ポイント引き下げた。IMFは「不動産危機がさらに深まる可能性があり、世界経済にとって重要なリスク」と指摘した。当局が人為的に不動産価格を維持する政策は中長期的に弊害があると疑問を呈し、成長モデルの転換を急ぐべきだと主張した。

先進国ではユーロ圏を0.3ポイント低い1.2%とした。ロシアのウクライナ侵攻が長期化し、エネルギー価格の高騰が響く。消費者物価上昇率は24年も3.3%に高止まりする。日本はインバウンド(訪日外国人)などの消費で23年の成長率を2.0%と0.6ポイント引き上げた一方、24年は1.0%と前回予測を据え置いた。

IMFは一人勝ちの米国が世界経済を支えるシナリオを描いた。景気後退が懸念されていた23年は蓋を開ければ0.3ポイント上方修正して2.1%の高成長となる見込み。24年も0.5ポイント上げて1.5%と予測した。個人消費が堅調で「景気の軟着陸(ソフトランディング)が現実味を増している」(チーフエコノミストのピエール・オリビエ・グランシャ氏)という。

ただ「景気後退が来ないという見方は楽観的すぎる」(米ユーラシア・グループのロバート・カーン氏)と米経済への懐疑論はエコノミストのなかでなお根強い。

急ピッチの利上げ効果に加え、足元では財政混乱を背景にした長期金利の急上昇で住宅ローン金利も約23年ぶりの水準まで跳ね上がった。現金給付などの過剰貯蓄を使い果たした家計がどのように消費を抑えるかは予測が難しい。

西側諸国と中ロなどとの経済の分断も大きなリスクとなる。オランダ経済政策分析局によると直近7月まで10カ月間で世界の貿易量は4.2%減った。落ち幅はリーマン危機やコロナ禍に次ぐ規模だ。

中国への輸出・投資規制を加速させ、安全保障の観点からサプライチェーン(供給網)の再編を目指す米国の動きが、状況をさらに悪化させる可能性がある。米国の輸入に占める国別の割合では、中国が2023年1?8月に15年ぶりにカナダを下回り、首位から陥落した。
こうした世界経済の需要のおぼつかなさを反映して、景気には悪化のシグナルが出ている。S&Pグローバルがまとめる世界の製造業購買担当者景気指数(PMI)は9月まで13カ月連続で好不況の基準となる50を下回った。

イスラエルとイスラム組織ハマスとの衝突も新たな懸念材料だ。戦闘激化による供給不安で下落基調にあったエネルギー価格が再上昇すれば、世界経済の逆風となる。

目先の減速を乗り切っても、次に長期低迷が待っている可能性もある。IMFは28年の世界経済の成長率も3.1%にとどまると予測する。5年先の成長率予測はかつては5%近くあったが、10年代半ばから低下し続けている。

05?14年の世界の年平均の成長率は3.9%あった。今は2桁成長を続けた中国のようなけん引役が見当たらない。長期低迷が現実化すれば、コロナ禍で財政余力を失った新興・途上国が特に打撃を受ける。

今回の減速はインフレ対応で各国の中央銀行が急速に金融を引き締め、経済活動を抑え込んだことも背景にある。ある程度管理された減速のため、今後の景気は短期間で再加速するとの見方も残る。コロナ禍や高インフレを完全に乗り越えて力強い足取りを取り戻せるか。世界経済はその岐路に立っている。(モロッコ中部マラケシュ=高見浩輔、マクロ経済エディター 松尾洋平)

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