豪州が輸出しているLNGの9割は、中共が買い手である。
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『The Lowy Interpreter 記者による2023-10-8記事「Russia’s Next Pipeline to China Could Reshuffle LNG Markets」。
豪州が輸出しているLNGの9割は、中共が買い手である。
しかし西欧にガスを輸出できなくなったロシアが中共向けのパイプラインを新設して余っている天然ガスを中共に向けて安売りするようになったら、豪州からのLNGタンカーによる輸出は、とうぜん、減ってしまう。だから、豪州人は戦戦兢兢としている。
いま、ロシアは「パワー・シベリア 2」という、ヤマル半島(オビ川の河口にある)のガス田からモンゴル経由で北支まで達する新パイプラインを計画中である。2024に起工、2030運開させたい。目論見では、年に500億立方メートルのガスを供給したい。
ちなみに、「ノルドストリーム1」の年間輸送量が550億立方メートルだった。
中共は現在、すべての消費エネルギーのうちの8.4%だけを、天然ガスに頼っている。
※このへんがさすがなのである。
原油は長期貯蔵できるが、LNGは長期貯蔵できない。平時からそんなものに頼っていると、外国がエネルギーを政治の梃子に使ってグレーゾーン厭がらせを仕掛けてくるにきまっている。
だから石油のアウタルキーが無い北京は、大方針として、ロシア産の天然ガスがいかに安価であろうと、それに依存しないようにしてきたのである。原油は、安ければどこから買ってもOKだ。それは、タンクに貯めておけるから。
統計によると、中共は2022年に、3646億立方mの天然ガスを消費し、そのうちの41%が輸入ガスであった。輸入先は、トルクメニスタン、豪州、ロシア、カタール、マレーシアである。
※おそらく、国内で生産できるガスよりも多くは輸入しない、という、北京の奥の院の秘密方針も、ある。だから、カザフスタンがガスパイプライン建設のために出資してくれといくら中国に言ってきても、敢えて無視してきた。カザフのパイプラインは結局、ロシアが使うことになり、ロシアに弱みを握られるだけだからである。
中共の政策でもうひとつ注目できることは、ひごろから「ベルト&ロード」とか標榜しておりながら、ロシア領内のパイプライン建設には決して出資しないこと。鉄道網にも、道路土建にも、手は貸さない。
※BRIは、ロシアが自滅するまでは、《陸路抜きのシルクロード》なのである。
ロシアが亡びたあとは、中共が大々的に利用することもあるだろうが、それまでは、中共は、1941時点の大日本帝国の路線を踏襲するしかない。
北方では慎重に。南洋では大胆に。主役は海軍。そして、米軍と東南アジアは「可分」でなくてはならない。そのためのグレーゾーン作戦は、なんでもやる。
ちなみに日本は輸入ガスのうち43%を豪州産に頼っている。台湾は37%、中共は35%、韓国は25%のガスを豪州から買っている。』