孫正義氏は何を語ったか 「このままでは金魚になる」

孫正義氏は何を語ったか 「このままでは金魚になる」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB053U20V01C23A0000000/

 ※ 『1時間に及んだ講演のほぼ全てを割いて説明したのが、人間の知能を超える汎用人工知能(AGI)だ。孫氏はAGIを中核技術と位置づけ、「10年以内に実現する」と強調した。

AGIはArtificial General Intelligenceの略で、人間のような汎用的な知能を持つ人工知能だ。従来のAIは特定の問題の解決に使うなど範囲が限定的な一方、AGIは複数の課題に対応できる人間のような柔軟性を持つという。』…。

 ※ 『「ネットの黎明(れいめい)期、日本の大企業の偉い社長から相当バカにされた。バブルがはじけた時、僕は詐欺師のように批判された」と振り返った。その上で米GAFAが世界の株式時価総額の上位を占めている現状に触れ、「ネットのすごさを感じて真正面から取り組んだ人が世界をリードしている。ものづくり、組み立てはコモディティーだ。そこに日本企業の魂があると言っていた人は、間違った魂を色々な人に押しつけた」と述べた。』…。

 ※ 本当か?

 ※ 人類の英知の源が、すべて「ネット」上の「デジタルデータ」になっているハズも、無かろうよ…。

『ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長が傘下の英半導体設計アーム上場後、初めて公の場に姿を見せた。ちょうど1年前、事業家としての人生を振り返り「この程度で終わっていいのか」と大泣きした孫氏が、取引先などを集めた今年の「ソフトバンクワールド」で何を語ったのか。発言から今の孫氏が描くビジョンを読み解いた。

「このままだと金魚になる。日本よ、目覚めよ」

孫氏は人工知能(AI)と半導体、ロボテ…

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『孫氏は人工知能(AI)と半導体、ロボティクスを融合したAI革命を主導すると改めて表明した。1時間に及んだ講演のほぼ全てを割いて説明したのが、人間の知能を超える汎用人工知能(AGI)だ。孫氏はAGIを中核技術と位置づけ、「10年以内に実現する」と強調した。

AGIはArtificial General Intelligenceの略で、人間のような汎用的な知能を持つ人工知能だ。従来のAIは特定の問題の解決に使うなど範囲が限定的な一方、AGIは複数の課題に対応できる人間のような柔軟性を持つという。

人間と金魚を例え話にしてAIの必要性を訴える孫氏(4日、都内)
孫氏はAGIが実現すれば「AIの知能が全人類の英知の10倍になる。さらに今後20年で1万倍になる」とみる。この差を人間と金魚に例え、「今後20年で人間の知能は、人間対金魚と同じくらい、AIと差ができる」と解説した。Chat(チャット)GPTなどを含むAIを活用しなければ、「このままだと金魚になる。活用するか、取り残されるか。テクノロジー国家の日本よ、目覚めよ」と訴えかけた。

「チャットGPT、検索手段でなく相談相手」
孫氏は進化するAIで、どのような社会を実現しようとしているのか。一つの事例としてあげたのがモビリティーだ。「大半は自動運転の世界になる。AGIになれば事故が起きない交通機関、モビリティーが完成する」と述べた。AGIの世界はチャットの分野にとどまらず、目や耳や触覚に拡張し、スマートロボットが工場での生産や物流も担うようになるとした。

孫氏自身は、最新のチャットGPTを「知識の検索に使うのではなく、知恵の相談相手」にしていることを明かした。チャットGPTのなかにキャラクターをいくつか作って議論するそうで、「ウチの役員とディベートするより、議論がどんどん進む。あまり言うと役員に怒られてしまうが、チャットGPTのほうが安く済む」と笑った。

「AGIは便利だが、あまりにも力が強い。規制はすべきだ」として進化するテクノロジーを野放図に使うわけではないこともにじませた。その上で「だからといって使わないのは自動車や電気を使わないのに等しい。使った方が国、企業、人は進化する。好むと好まざるとにかかわらずAGI革命はやってくる」と強調した。

「ものづくりはコモディティーだ」
1年前の2022年4〜9月期決算発表で「上場株も未上場株もほぼ全滅に近い。ビジョン・ファンドも大変苦しんでいる」と述べ、その後の決算会見には姿を見せなくなった孫氏。アーム上場で反転攻勢の舞台が整った自信からか、今回の講演ではかつてのような強気な発言も戻ってきた。

「ネットの黎明(れいめい)期、日本の大企業の偉い社長から相当バカにされた。バブルがはじけた時、僕は詐欺師のように批判された」と振り返った。その上で米GAFAが世界の株式時価総額の上位を占めている現状に触れ、「ネットのすごさを感じて真正面から取り組んだ人が世界をリードしている。ものづくり、組み立てはコモディティーだ。そこに日本企業の魂があると言っていた人は、間違った魂を色々な人に押しつけた」と述べた。

世界の時価総額の変遷を語る孫氏(4日、都内)
もっとも、SBGが市場で絶対的な評価を得ているわけではない。時価総額は約9兆円と日本では10位前後、トヨタ自動車の約5分の1にとどまる。23年4〜6月期まで3四半期連続の最終赤字が続き、投資会社として保有株の騰落が業績を大きく左右する。虎の子アームは時価総額8兆円を維持しているものの、足元の株価は軟調だ。

「AGIに取り組んだ企業、人物が10年後、20年後に一気に人類のリード役になる。ソフトバンクが世界で最も活用するグループになる」。孫氏によると、生成AIだけで1万件の特許を出願したという。日本がネットだけでなく、AI活用でも機を逸すれば「失われた30年」(孫氏)と同じことが起きかねない。孫氏は今年66歳になった。最後の大勝負とみて、AI戦略にSBGと日本経済全体の浮揚をかける。

(四方雅之)

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遠藤直紀
ビービット 代表取締役
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ひとこと解説 「ネットのすごさを感じて真正面から取り組んだ人が世界をリードしている。ものづくり、組み立てはコモディティーだ。そこに日本企業の魂があると言っていた人は、間違った魂を色々な人に押しつけた」というのはとても重たい指摘だと感じました。

テスラなど現代を代表する製造業はネットを前提とした製品開発に取り組んでおり、飛躍しています。

日本企業はゼロイチ思考ではなく、しっかり残すべきこと、前のめりに変化すべきことを明確にして、提供価値を高めていきたいところです。

2023年10月7日 7:13 (2023年10月7日 7:43更新)
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