今年4月、私はFutura Doctrinaの投稿で、ウクライナの2023年の戦役の成功の鍵となる7つの尺度について述べた。これは、ウクライナ南部での「海への進出(advance to the sea)」以外に、ウクライナの今後の攻勢における成功がどのようなものなのかについて、戦争に関するコメントを寄せる多くの人々が明確な見解を持っていないことが当時明らかだったからだ。特に、一貫性のある明確な成功の尺度なしに進捗状況を報告することは難しいからだ。
評価(Assessment):ウクライナの攻勢は、数カ月前から予告されていたことであり、驚くにはあたらない。最近、ウクライナがドニプロ川を横断し、東側背面に部隊を駐留させる作戦をとったことは、戦術的奇襲をもたらしたかもしれない。ウクライナはその後も横断を続けているが、(いずれにせよまだ)この宿営地を大きく利用することはできていない。さらに、ここ2、3日の黒海の掘削装置の奪取はロシア側を驚かせただろう。ウクライナが奇襲を生み出し続けている分野は、作戦的・戦略的打撃のプログラム(program of operational and strategic strikes)にある。ウクライナのインテリジェンス機関は、目覚ましいターゲティングの取組みを続けているようだ。クリミアにあるロシアのS-400拠点、ウクライナから数百キロ離れたロシア空軍基地、そして黒海の掘削施設に対する最近の攻撃はすべてこの例である。これらの打撃(strikes)は、自国製の攻撃兵器(strike weapons)を開発し、独国のタウルスや米国のATACMSなど、より多くの外国製打撃ミサイル(foreign strike missiles)を確保する取組みを伴っている。全体として、この措置は「部分的に達成された」と評価されるだろう。
尺度その2:ウクライナはロシアの戦術・作戦予備軍、指揮・統制(C2)、兵站を破壊または劣化させる。-Measure 2: Ukraine destroys or degrades Russian tactical and operational reserves, C2 and logistics.
評価(Assessment):ウクライナは領土の解放を進めている。しかし、これまでの評価でも述べたように、ウクライナ大統領、軍上層部、政府高官を除いて、この段階におけるウクライナの真の目的を知る者はほとんどいない。従って、これが遅れているのか予定通りなのか、確実なことは言えない。とはいえ、ウクライナは着実に領土を回復している。Institute for the Study of WarとMilitaryLand.netの最近のレポートでは、ウクライナの東部と南部におけるウクライナの獲得について取り上げている。どちらも、この進展を示す素晴らしい地図を持っている。また、War Mapperの最新の評価では、ウクライナは2023年8月中に35平方キロメートルを解放している。したがって、この成功の尺度は「部分的に達成され、継続中」と評価できる。
尺度その4:ウクライナは、攻勢が終わった時点でクリミアを返還するための行動をとることができる。-Measure 4: Ukraine is well placed for actions to return Crimea at the end of the offensives.
尺度その6:ウクライナは、一部の地域の防衛を継続し、他の地域で後続の攻勢を実施するのに十分な戦闘力を保持している。-Measure 6: Ukraine preserves sufficient combat power to continue defending some areas and conduct subsequent offensives in others.
成功だけでなく失敗もある程度認識しなければ、どんな努力においても成功することは難しい。失敗を定義することは、多くの複雑な組織が安全と成功を維持するための重要な要素である。失敗は予測可能であり、さまざまな形の失敗を検討するプロセスは、強固な軍事計画に反映される。ディートリッヒ・ドルナー(Dietrich Dorner)は、その著書『失敗の論理(The Logic of Failure)』の中で次のように述べている。
尺度その1:領土奪還の失敗:Measure 1. Failure to recapture territory.
今後の攻勢でウクライナの大部分を再占領できなければ(2023年のロシアの攻勢でそうなっている)、今後の攻勢は失敗だったとみなされる可能性が高い。ウクライナの大部分がロシアに不法占拠されたままになるだけでなく、多くのウクライナ国民がロシアの支配者による恐怖にさらされ続けることになる。これは軍事的、政治的、人道的な失敗である。 尺度その2:ロシア軍の大部分を破壊できない。-Measure 2. Failure to destroy large parts of the Russian Army.
ウクライナ軍は森の中にあるロシア軍陣地(48.978463,38.130538)を自爆型ドローンで襲撃する映像を公開、この攻撃に使用されているのはFirst Person View=FPVタイプのドローンで、ウクライナは2022年夏に量産可能なFPVドローンの開発に着手、各種テストを経て9月7日にFPVドローン「KH-S7」の作戦使用をウクライナ軍が承認している。
The best delivery service ever.
FPV drones of the joint tactical group “Adam” deliver gifts to the occupiers directly to their dugouts. pic.twitter.com/tolEAP3kGK
— Defense of Ukraine (@DefenceU) September 24, 2023