中国恒大集団の創業者逮捕か 「法律違反で強制措置」

中国恒大集団の創業者逮捕か 「法律違反で強制措置」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM28C5Q0Y3A920C2000000/

『【広州=川上尚志】経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団の創業者である許家印・董事局主席が中国当局に逮捕されたもようだ。同社が28日、許氏が拘束や逮捕を意味する「強制措置」を執られたと発表した。恒大は香港取引所での株式売買を同日から停止すると発表していた。経営の混乱に拍車がかかっている。

恒大の発表によると、許氏について「法律違反の疑いがあり、強制措置の対象になったと通知を受けた」という。具体…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』

『具体的な違反の内容は明らかにしていない。米ブルームバーグ通信は、許氏が9月初めに中国の警察に連行され、指定された場所で監視されていると報じていた。

恒大を巡っては夏海鈞・元最高経営責任者(CEO)と潘大栄・元最高財務責任者(CFO)の2人も当局に拘束されていると中国メディアの財新が報じていた。両氏はグループ傘下の不動産管理会社、恒大物業集団から恒大への不適切な資金回流に関わったとして2022年に辞任していた。

恒大は28日、香港取引所での株式売買を同日から停止すると発表した。8月28日に約1年5カ月ぶりに売買を再開したばかりだった。上場子会社である恒大物業と、電気自動車(EV)メーカーの中国恒大新能源汽車集団も株式売買を停止した。

恒大の6月末時点の債務超過額は6442億元(約13兆円)に達している。中国政府が20年夏、不動産会社に対する融資規制を強化した影響を大きく受けた。負債比率などによって資金調達の規模を厳しく制限する「3つのレッドライン」が設定され、金融機関の貸し渋りに直面したことで経営難に陥った。

外貨建て債務の再編を巡る債権者との調整が難航し、協議日程を相次いで延期している。25日が期限だった人民元建て債40億元の元利金も払えなかった。

一部の債権者は香港の裁判所に恒大の会社清算を申し立てた。清算は取引先や住宅購入者に大きな影響を与え、社会不安につながりかねない。 』