米国、島しょ国2カ国承認 首脳会議にソロモン首相欠席
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25BHH0V20C23A9000000/
『【ワシントン=坂口幸裕、シドニー=今橋瑠璃華】米政府は25日、南太平洋の島しょ国であるクック諸島とニウエを国家承認したと発表した。外交関係を樹立し、インド太平洋地域で影響力を広げる中国に対抗する足場を築く。25日に開いた太平洋島しょ国首脳らとの会議に中国傾斜が目立つソロモン諸島のソガバレ首相は欠席した。
バイデン米大統領は25日、首都ワシントンのホワイトハウスで太平洋島しょ国で構成する「太平洋諸…
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『バイデン米大統領は25日、首都ワシントンのホワイトハウスで太平洋島しょ国で構成する「太平洋諸島フォーラム(PIF)」を主催した。地域のインフラ支援へ4000万ドル(約59億円)を拠出するため米議会と協力すると表明した。
25日に発表した声明で「日本やオーストラリアなどと協調し、気候変動に強い経済発展の支援を目的としたプロジェクトや活動を後押しする」と記した。25年にもPIF首脳会議を開くことも確認した。
島しょ国では温暖化による海面上昇で国土浸水が安全保障上のリスクになっている。気候変動対策に触れ「支援を拡大する。強力な成長は強力なインフラから始まる」と訴えた。
バイデン氏は参加した18カ国の首脳らを前に「自由で開かれ、安全で繁栄したインド太平洋地域を確保する目標のために、このテーブルを囲むすべての国との協力を約束する」と述べた。開催は22年に続き2度目で、地域で影響力を高める中国に対峙するため、経済・安全保障面などで支える。
海上で違法取引・漁業を監視する訓練の実施へ米沿岸警備隊の艦船を初めて派遣する。米政府高官は記者団に「数週間で米国を出発し、インド太平洋に向かう準備が整っている」と指摘。「違法漁業や気候変動への対応など島しょ国全体が協力して任務にあたれるようになる」と話した。
バイデン氏は25日の会合の冒頭であいさつし、5月にパプアニューギニアで予定していた各国首脳後の会議に欠席したことを「改めておわびしたい」と陳謝した。難航していた米政府の債務上限を巡る野党・共和党との交渉を優先し、訪問を取りやめた。
クック諸島のブラウン首相は「米国との真のパートナーシップの構築をめざす」と語ったが、参加した18カ国のうちソロモンとバヌアツの首脳は出席せず代理を派遣した。ソロモン首相府の報道官は日本経済新聞に「ソガバレ氏は国内での緊急対応で出席ができないため、マネレ外務・貿易相が代わりに出席する」と説明した。
ソガバレ氏は22日に米ニューヨークの国連総会で演説していたにもかかわらず、ワシントンには出向かなかった。米高官はソガバレ氏のPIFへの出席見送りについて「失望している」と明言した。
ソロモンは19年に台湾と断交し、中国との国交を結んだ。22年には中国との安保協定を締結。中国軍がソロモンを拠点にすれば活動範囲を拡大でき、米軍にとって脅威になる。
巻き返しを急ぐ米国は23年初め、30年ぶりにソロモンに大使館を開設したが、同国と中国との蜜月は明らかだ。ソガバレ氏は22日に国連総会で日本政府による東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出について「がくぜんとしている」と批判。中国と足並みをそろえる姿勢を明確にした。
一方、バヌアツのキルマン首相のPIF会合欠席は国内対応を優先したためとみられる。9月にカルサカウ前首相の不信任決議で就任したばかりで、内政安定を重視したもようだ。』