最近、無能な李強氏が見捨てられ蔡奇氏が重用される中国政府
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※ 上海閥vs.北京閥の構図も、透けて見えるな…。
『習近平氏に徹底的な従順を示し、外国人居住者の不満をものともせず、徹底した武漢肺炎対策を強行して、上海市共産党トップから、一気に首相になった李強氏ですが、序列をすっとばしたスピード出世と、そもそも首相になって国の舵取りをする力量と、ビジョンが無かった事から、完全に影の薄い存在になりつつあります。
地方に視察に出ても、省のトップは出迎えにも出ず、担当者を案内役に付けるという塩対応。首相の視察と言ったら、国家主席程では無いにしろ、大名行列みたいなもので、該当した省は、トップ自ら視察団の応対に出るのが当然な中国において、この扱いは異例です。チャイナ・セブンにも入っていなかった、都市の共産党トップが、いきなり首相になったので、求心力が無いのですね。後ろ盾は、習近平氏だけですしね。外交経験も、一切無いですし、役職を引き受ける準備も無いまま、出世だけした幹部の哀愁さえ漂っています。
今は立場的に序列で言うと、No2になるわけですが、ゴリ押しのNo2なので、国政が危機的状態なのに、政治が潤滑に機能していない状態です。ちなみに、中国の政治の仕組みとしては、党運営のトップが国家主席とも呼ばれる習近平氏。行政のトップが首相である李強氏と分かれています。というか、分かれていました。前任の李克強首相が共青団出身のインテリだった為、独裁がしたい習近平氏と意見が対立し、任期の最後の方は、勝手に習近平氏が課題毎に委員会を立ち上げて、自ら委員長に就任する事で、実質的な権限を首相から取り上げていたのですね。もちろん、その委員会には李克強前首相を入れず、行政権を剥奪した形になります。なので、首相というポジションが機能していませんでした。
今も、実質的にその状態です。違うのは、行政が機能しない理由で、首相が無能なので、習近平氏が邪魔しなくても、機能していないというだけです。李強首相の役割は、習近平氏に徹頭徹尾従順という事だけなので、アイデアも何も無く、一度引退した高齢な幹部を呼び戻して、何とか行政が機能している状態です。圧倒的に国のリーダーとしては経験不足です。地方行政と国政では、スケールも立場も、まったく違いますからね。
こうなると、習近平氏の個人的な信任の厚い、頭の回転の早い人物が、組織の序列に関係無く、実質的な権力を握る事になります。良く民間の企業でもある、秘書室のトップが、CEOの代理みたいな形で、何にでも口出しできる実権を握るような構図ですね。何か意見を上げるにしても、秘書室を通さないと、そもそもCEOに届かないみたいな、明文化されていないルールが出来てしまうパターンです。現在、その位置にいるのが、元北京市共産党のトップの蔡奇氏です。序列で言うと、No5ですね。
彼が兼任する役職は、多彩です。中央委員会書紀処第一書記、中央弁公庁主任、国家安全会議副主席など、本来は別々の人間が担当する独立したポジションを、兼任していて、その権力は実質的に李強首相に並ぶものです。しかも、このポジションは、党の役職と行政の役職を跨いでいるので、実質的に党と行政は統合されてしまったという事です。権力の分散が機能しなくなったという事ですね。これによって、習近平氏のご託宣を、幹部に伝える役割を担っている蔡奇氏は、李強氏以上に重用されていると言えるでしょう。
で、この蔡奇氏なのですが、政治家というより正に「共産党員」という感じの人物で、しばしば感情が無いと表現されます。課題を、もくもくと「処理」するタイプで、政治家特有のパフォーマンスや目立つ行動は取らず、与えられた課題を淡々と消化していく官僚タイプですね。その為、とかくムラが多く、言動にブレが大きい習近平氏に信頼されていて、些末な事は、習近平氏が直接指示をするより、蔡奇氏を通して指示される事が増えています。逆もしかりで、報告は蔡奇氏を通して、習近平氏に伝わります。習近平思想を学ぶ、党内のキャンペーンも全権で任されています。
習近平氏と李強首相の関係が、上意下達で、駒として動くだけの主人とロボットならば、蔡奇氏は分身として、実質的なNo2として党内をまとめています。つまり、李強氏は習近平氏の代わりにサンドバックとして、批判の矢面に立って殴られる役で、それとは関係なく粛々と習近平氏の意図を実現するのが蔡奇氏という事になります。ただ、この異常な権力の集中が、党内で不和を招かないはずもなく、この体制は危ういバランスで成立しています。 』