2023年第1四半期 訪日外国人の旅行消費額総額トップは台湾

【図表】2023年第1四半期 訪日外国人の旅行消費額総額トップは台湾 1人当たり消費額トップはイギリス 日本観光庁が統計発表
https://news.yahoo.co.jp/articles/44fa12fe5dbcef0bfa298441fe6de229a10bcbcd

 ※ まあ、円安・他国通貨高の影響も、大きいのだろう…。

『新型コロナ感染症の流行を経て、世界的に観光産業が回復する中、日本は再び外国人旅行者の人気を集め、 2023年6月には訪日外国人観光客が200万人を突破した。政府観光庁は今年第1四半期の訪日外国人消費額動向調査結果を発表、国籍・地域別旅行消費額は台湾が1,739億円でトップとなった。調査結果から訪日外国人観光客数の推移と消費行動の変化が見て取れる。

新型コロナ感染症の流行を経て、世界的に観光産業が回復の兆しを見せている。日本にも再び世界中から観光客が訪れるようになり、いまやインバウンド観光事業は日本経済の重要な収入源となっている。政府観光庁は7月末に、今年第1四半期の訪日外国人消費額動向調査結果を発表、国籍・地域別旅行消費額総額は第1位が台湾で1,739億円、第2位が米国で1,733億円。第 3位が中国で1,515億円でとなった。

一方、観光客1人当たりの平均消費額を見ると、最も購買力が高いのはイギリス人観光客で、1人当たり平均消費額は35万9,223.4円となっている。 次いでイタリア、オーストラリア、中国、フランス、ドイツと続き、これらの国の平均消費額はいずれも30万円以上である。 台湾からの観光客の平均消費額は17万6,752.1円だった。

2023年第1四半期には訪日観光客の総消費額がコロナ流行前の水準に戻った。 観光庁の最新統計によると、第1四半期の訪日外国人観光客の消費総額は1兆2,052億円に達し、コロナ流行前の2019年第1四半期の1兆2,475億円に迫っている。

グラフから分かるように、コロナ流行前は中国人観光客の消費が最も高い割合を占めていた。国籍・地域別旅行消費額は2015年から2019年まで中国が第1位となり、年間消費額は3500億を超えた。 コロナ流行前の2019年第2四半期における中国人観光客の消費額は4,489億円に達し、年間総額の35.9%を占めた。

訪日中国人観光客の消費減少の原因は、観光客の人数自体が依然としてコロナ流行前の水準に戻っていないことである。 観光庁のデータによると、訪日中国人観光客は2014年以降急増し、2014年の240万人から2015年には499万人に倍増、2019年には1000万人に迫り、外国人観光客総数の3分の1を占めた。

しかし、2023年6月の中国人観光客は59万4,000人にとどまり、コロナ前の水準を大きく下回っている。それにも関わらず、訪日観光客の総消費額がコロナ前の水準に戻りつつあるのは、他国からの旅行者の消費が軒並み増加しているためである。 最も消費額が伸びたのは米国人観光客で、次いで台湾からの観光客が350億円増加、3番目が韓国からの観光客の205億円の増加となった。 シンガポール、オーストラリア、カナダからの観光客の消費額も100億円以上増加している。

8月10日、中国文化観光省は中国全土の旅行代理店やオンライン旅行会社に対し、​​指定国・地域への中国人向けの団体旅行と「航空券+ホテル」パックの販売を解禁した。指定国には日本も含まれる。 これにより訪日中国人観光客が大幅に増加し、訪日観光客の総消費額も継続的に増加すると予測されるが、短期的に見ると日本国内の宿泊施設などの観光資源はすでに飽和しているといわれ、オーバーツーリズムが懸念されている。中国人観光客の急増により他国からの観光客が減少するリスクにも注意が必要だろう。

TNL 編集部 訳:椙田雅美 』