中国商務省、EUのEV補助金調査に「強烈な不満」

中国商務省、EUのEV補助金調査に「強烈な不満」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM147XZ0U3A910C2000000/

『【北京=多部田俊輔】中国商務省は14日、欧州連合(EU)が13日に表明した中国製電気自動車(EV)の補助金に関する調査について「強烈な不満」を示した。中国の新エネルギー車の輸出台数のうち欧州向けが半数を占める。EUの方針について「公正な競争という名を借りた産業保護だ」と強く批判した。

商務省は記者の質問に答える形式でEUの調査に対する見解を発表した。中国製EVの欧州への輸出拡大について「絶え間な…

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『商務省は記者の質問に答える形式でEUの調査に対する見解を発表した。中国製EVの欧州への輸出拡大について「絶え間ない技術革新とサプライチェーン(供給網)の整備の結果であり、自らの力で勝ち取った競争優位性だ」と反論した。

EUに対しては「世界のサプライチェーンを深刻に混乱させてゆがめ、中国と欧州の経済関係にマイナスの影響を及ぼすだろう」と警告した。

中国政府はガソリン車からEVへのシフトをてこに、自動車販売台数が世界トップの「自動車大国」から中国企業が世界市場への供給をリードする「自動車強国」への転換を狙っている。EVの主要輸出先である欧州での逆風は、中国政府のEV戦略に影響を与える可能性もある。

中国の乗用車の業界団体によると、2022年のEVを中心とする新エネルギー車の欧州への輸出台数は約55万台で、新エネ車の輸出全体の48%を占めた。今年も1〜7月ですでに約45万台を輸出している。EUの調査により中国のEV輸出にブレーキがかかることを懸念する声が広がる。

乗用車業界団体の崔東樹・秘書長は同日、中国のSNSで「中国政府の新エネ車に対する補助金は22年末に終わっている」と指摘したうえで、中国製EVの販売増の原因について「巨額の国家補助金ではない」と強調し、EUの調査に断固として反対すると表明した。

中国政府は22年末にEVなどに対する販売補助金を打ち切ったが、EVメーカーには政府が監督管理する国有企業も含まれる。中国で企業がEV工場を建設する際には、政府の支援を受けるケースも少なくないため、EU側がどこまで調査するのかにも注目が集まる。

自動車輸出を巡る摩擦の軽減を模索するメーカーも出ている。輸出でブランドの知名度向上と一定の販売台数を確保した後、EVの現地組み立てを検討している企業もある。中国は車載電池メーカーの欧州進出も後押ししており、EVのサプライチェーンを世界で構築しようとしている。

EUのフォンデアライエン欧州委員長は13日、仏ストラスブールの欧州議会で施政方針を演説。中国製の安価なEVの流入を問題視し、同国の補助金支援が競争を阻害していないか調査すると述べた。

欧州市場では中国車メーカーのEVの存在感が急速に高まっている。価格競争力で優位にあるとされており、海外メーカーは警戒を強めている。中国で最近開かれた自動車関連の国際会議でも中国製EVの輸出攻勢が議論となっていた。』