枠組みではなく国を見よ 十字路
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB080L50Y3A900C2000000/
※ 「社説(及び、それに類するもの)」は、「現実離れ」した、ロクなものが無いことが多い…。
※ しかし、これは、珍しく「真っ当なこと」を言っていると思われるので、紹介しておく…。
『BRICS首脳会議、ASEAN関連首脳会合、G20首脳会議。8月下旬から相次いで開催された国際会議は、国際社会におけるグローバルサウスの影響力の拡大と限界の両方を示した。
BRICSは新たにサウジアラビアなど6カ国の加盟が決まり、新BRICSは世界の国内総生産(GDP)の3割を占め、4割の主要7カ国(G7)に迫った。逆に成果はこれだけで、逆に多様な国々が西側への反発を共有するだけの緩い枠組みと判明した。ASEANはインド太平洋地域の安全保障と経済統合の議論で存在を示せなかった。
G20もウクライナを巡る対立の先鋭化を乗り越えられない。議長国インドは、世界から主要大国として認められる機会を逸した。
グローバルサウスという枠組みがなく、内部の結束もない。実態は、グローバルサウスに分類される国々が、G7か中国・ロシアかという大ぐくりの選択を嫌い、安全保障、エネルギー、食料や環境など重要課題ごとに世界で連携する枠組み、大国、政策を独自に選んでいる。
だからG7の影響力は低下する一方で、中ロやBRICSがG7に代わる存在にはなり得ない。米国主導の国際秩序は緩んでいくが、代わる秩序も対抗軸も生まれない。
とはいえ、各国の選択も国益を守るためであり、目先の経済発展を得られるかという実直な判断が大きい。世界は不透明な混沌が待っているようにみえるが、グローバルサウスの国々の経済は底堅く、展望も暗くないのだろう。
日本と日本企業、投資家も、この世界の新しい複雑な現実を受け止め、これからは世界を枠組みではなく国で捉えていく必要がある。国ごとにその選択と背景を深く理解し、協力、進出、投資していくことが求められる。
(丸紅執行役員経済研究所長 今村卓)』