[FT]スイス 資金洗浄封じ本腰、汚名返上に躍起

[FT]スイス 資金洗浄封じ本腰、汚名返上に躍起
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『「不正蓄財の温床」という悪評を払拭するため、スイス政府はマネーロンダリング(資金洗浄)規制の強化に乗り出した。ケラーズッター財務相は8月30日、信託や会社の最終的な「実質所有者」の申告を義務付ける対策案を発表した。

スイスは現在、欧州で唯一、こうした所有者登録制度がない国だ。世界各地のオリガルヒ(新興財閥)や犯罪者がスイスの現行制度を悪用し、金融機関や専門知識を使って資産の所有を偽装していると批…

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『世界各地のオリガルヒ(新興財閥)や犯罪者がスイスの現行制度を悪用し、金融機関や専門知識を使って資産の所有を偽装していると批判されている。

ケラーズッター氏は「国際的に重要、安全で先見性のある金融センターという評価を永続的にするためには、金融犯罪を阻止する強固な制度が不可欠だ」と強調した。

人口約870万人のスイスは、非居住者を規制や税制面で優遇する「オフショア市場」の世界最大の拠点だ。スイスの銀行が預かる海外資産は推定2兆4000億ドル(約350兆円)に上る。

ロシアのウクライナ侵攻を受け、スイスは金融規制の強化を求める国際的な圧力にさらされている。ロシアへの経済制裁では欧州連合(EU)と足並みをそろえるが、スイス政府は法令違反を十分に取り締まっていないとの批判を受ける。

主要7カ国(G7)の駐スイス大使は4月、スイスには数々の国内法の「抜け穴」が存在し、国内の弁護士がこれを悪用して制裁逃れを手助けしているにもかかわらず、政府は見て見ぬふりをしていると非難した。

スイスが金融犯罪を規制する法律の見直しに乗り出すのはこの3年間で2度目となる。

改革案には、スイス国内で設立された全ての法人と信託の実質所有者を登録する新たな名簿の作成が盛り込まれた。また、スイスの弁護士や会計士などサービス提供者には、顧客に対するデューデリジェンスの実施、検査記録の保管、マネーロンダリングが疑われる場合の当局への報告が義務付けられる。

もっとも、この改革案が法制化されるのはまだ先となる。各政党と州政府、市民団体との協議が今後3カ月にわたって実施され、法案の議会への提出は来年となる。

By Sam Jones

(2023年8月30日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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