元徴用工くすぶる火ダネ 解決策半年、司法手続き停滞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM04ARJ0U3A900C2000000/
※ 『地裁が供託の受理を避けるのは、そもそも原告側が第三者による返済を拒んでいるためだ。前例が乏しいケースのため、法曹界でも供託が成立するという見解と、供託によって債務を消滅させるのに適さない事案だという見解が対立している。』…。
※ オレが学んだ「民法」では、「金銭債権」は、そもそも「第三者弁済」を拒否できる性質の債権ではない。
※ 債権とは、債務者の「履行行為」によって、債権者の「満足」を図るのが目的の権利だ。
※ 金銭債権は、「金銭」の提供によって、債権者の満足が図られる。
※ 「第三者弁済」の可否は、その債権の「性質」によるもので、「債権者」が勝手に拒否できたりするものではない。
※ そういうような話しだったと、記憶しているが…。
※ まあ、「所変われば、品変わる」なんだろう…。
『【ソウル=甲原潤之介】韓国政府が元徴用工問題の解決策を発表してから6日で半年を迎えた。日本企業への実害を避けつつ原告への補償を進めるという韓国の表明は、日韓関係改善と日米韓の協力強化につながった。しかし、解決策の履行に向けた実際の司法手続きは停滞し、火種としてくすぶっている。
韓国政府は3月に解決策を発表した。原告が日本企業の資産を現金化する手続きを止め、日韓関係を改善させる目的があった。勝訴が確定した原告15人に対する賠償金の支払いを日本企業に求めず、韓国政府傘下の財団が支払う形を取った。
生存者1人と死亡した原告10人の遺族は解決策を受け入れ、財団から判決金を受け取った。全体の7割にあたる。残る2人の生存者と死亡した原告2人の遺族は、あくまで日本企業による賠償を求めて受け取りを拒否した。
韓国政府は7月、受け取らなかった生存者と遺族の判決金相当額を裁判所に預ける「供託」の手続きを始めた。裁判所が認めれば原告が日本企業に判決金を請求する根拠がなくなり、現金化のリスクは消えるはずだった。
ところが、供託手続きは政府の計画通りに進んでいない。
元徴用工の支援団体関係者らによると、財団は8つの地方裁判所に対し12件の供託を申請したが、12件すべてが受理されなかった。不受理に対する異議の申し立ても、5日時点で12件中10件が棄却されている。
地裁が供託の受理を避けるのは、そもそも原告側が第三者による返済を拒んでいるためだ。前例が乏しいケースのため、法曹界でも供託が成立するという見解と、供託によって債務を消滅させるのに適さない事案だという見解が対立している。
韓国政府は裁判所の決定に不服を申し立てる「抗告」の手続きを始めた。最高裁が供託の是非について判断を下すまで、司法の場で政府と原告の対立が続く見通しだ。
解決策の推進によって、裁判中の元徴用工の不満も高まっている。
「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が補償してくれると言った。岸田文雄首相も尹大統領がすべて解決すると思っている。なのに私には韓国政府からも裁判所からも何の話もない」。元徴用工の女性は8月29日、記者会見を開いて訴えた。
戦時中に朝鮮半島から日本に渡った元徴用工は20万人規模といわれ、裁判を起こしている原告は約1100人にのぼる。最高裁の判決を待つ原告に絞っても125人。仮に尹政権の後に革新系の政権が発足すれば、裁判が再び動き出し原告勝訴の判決が相次ぐ可能性も否定できない。
政権・与党内には元徴用工問題に終止符を打つ仕組みが必要だとの声がある。国会で法整備をして新たな財団をつくり、元徴用工に追加補償をする案だ。この計画を推進するには、2024年の総選挙(国会議員選)で与党が勝利する必要がある。
尹政権の支持率は30%台で、不支持率が支持率を上回る状況は足元で変化がない。国会で強力な立法措置を取るだけの勢力を与党が確保するハードルは現時点では高い。 』