サウジ初の原発建設、入札に中国企業 米に揺さぶり

サウジ初の原発建設、入札に中国企業 米に揺さぶり
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2873I0Y3A820C2000000/

『【ドバイ=福冨隼太郎】サウジアラビアが計画する同国初の原子力発電所建設の入札に、中国国営の中国核工業集団(CNNC)が参加していることがわかった。政治、経済両面で結びつきを強める中国に接近する姿勢を見せ、原子力技術の供与に難色を示す米国に譲歩を迫る狙いがある。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)報道によると、CNNCが入札に参加しているのはサウジ東部での原発建設プロジェクト。場所はカ…

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『場所はカタールやアラブ首長国連邦(UAE)との国境に近い。

サウジは長年、米国に原発建設に不可欠な原子力技術の供与を求めてきた。ただ、ウラン濃縮などの関連技術は核開発につながりかねない技術でもあり、米国は難色を示してきた。サウジと長年対立関係にあるイスラエルも、サウジが原子力技術を持つことには慎重姿勢を崩していない。

WSJはサウジ当局者がバイデン米政権に妥協を迫ることが狙いだと認めた、とも伝えた。米国との協議が不調に終わればサウジは中国企業を起用するとしている。』

『米ジョージ・メイソン大上級客員研究員のウムド・ショクリ博士は、サウジと中国の関係強化を「米国への依存度の低下を示し、同盟関係に多様なアプローチが生まれる可能性がある」と分析。「サウジは長期的な国益に合致する戦略的パートナーシップを優先するようになっているようだ」と指摘する。』

『サウジにとって米国は安全保障を依存する同盟国だが、サウジの実力者ムハンマド皇太子とバイデン政権の関係は人権問題などでギクシャクしている。中国との関係を深め、米側に圧力をかける意図は明確だ。

産油国でも温暖化ガス排出削減の流れは強まっている。これまで石油収入に依存してきたサウジも、2021年に60年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロとする目標を掲げた。原発導入はこうした目標達成にも不可欠とされる。隣国UAEでは韓国が技術協力したアラブ初の原発が稼働している。

サウジでは天然ガスなど化石燃料による発電が主流だ。サウジ政府はクリーンエネルギー導入の一環として、原発を新設して人口増に伴い増大が見込まれる自国の電力需要をまかなう方針を掲げている。』