中国はデフレなのか 迫る日本のいつか来た道

中国はデフレなのか 迫る日本のいつか来た道
金融PLUS 金融グループ次長 石川潤
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB016MR0R00C23A9000000/

『不動産バブルの崩壊、人口減少、そして若者の就職難――。日本が1990年代以降に直面した問題がいま、高成長を続けてきた中国経済に重くのしかかっている。消費者物価指数(CPI)の上昇率は7月にマイナスに転じ、デフレへの警戒も高まってきた。中国は日本のいつか来た道をたどろうとしているのか。

中国だけで物価下落

日米欧の中央銀行が粘着質なインフレへの対処に苦慮するなか、ひとり逆方向の対応を迫られているの…

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『河野氏によると、中国で住宅購入の中心である25〜34歳の人口は、2010年代後半にすでにピークを迎えた。これは、団塊の世代が住宅購入の主力の35〜44歳に達した1990年ごろにバブルが崩壊した日本の姿とも重なるという。住宅需要が構造的に弱まっていくとすれば、調整は長引きかねない。

ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフ・エコノミストは「日本の経験に照らせば、人口減少はまずデフレ方向に働く」と話す。人口減少で経済が縮小していくという見通しが強まれば、投資や消費が抑えられ、物価は下押しされる。しばらくすると働き手不足で人口減少はインフレ要因に転じるが、当面はデフレ要因になる可能性が高いという。

日本ではバブル崩壊による大きなショックと人口減少による経済の実力低下が相まって、低成長と低インフレが長期化した。中国の場合、不良債権問題が強い信用収縮を引き起こした日本の経験を当局が学んでいることもあり「日本ほどの落ち込みにはならないのではないか」(馬場氏)との指摘もあるが、下押し圧力は当面かかり続けることになる。』

『日銀で調査統計局長を務めた一橋大学の関根敏隆教授は「中国当局にはまだ削りしろ(政策対応の余地)があるが、政策が後手に回ればデフレに陥る可能性がある」と指摘する。物価は上がらないとの認識がいったん企業や家計に根付いてしまえば、そこから抜け出すにはかなりの時間が必要になるというのが日本の教訓だ。』

『永浜利広のアバター
永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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ひとこと解説 デフレは2年以上物価下落が続かなければ認定されませんが、中国では結婚出産適齢期である若年層の雇用環境が悪化してますから、90年代以降の日本のように、婚姻率や出生率の低下を通じて少子化に拍車がかかるでしょう。
そして、現在の日本の50代未満のようなロストジェネレーションが生み出されれば、中国に深刻なダメージを長期的に及ぼす可能性があると思います。
2023年9月4日 9:21いいね
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柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察 マクロ経済学のフィリップス曲線の設定からもわかるように、失業率が上昇すれば、物価は下がる。中国はデフレを回避できるか、失業率を押し下げられるかにかかる。中国が日本の失われた30年と同じ道を辿るかどうかはわからないが、すでにデフレに突入しているのは間違いない。問題はデフレそのものではなく、デフレに対処する有効な政策が考案されていないことにある
2023年9月4日 6:57』