習近平氏が求める「社会関係書」の提出の意味
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『中国共産党は、指導的幹部に対し、「社会関係書」という書類の提出を求めました。これが、何かというと、幹部自身の親族の全てと、その社会的な地位を記載させる身上書です。その範囲が9親等という事で、既に死亡している人間も含めて、全ての記載を求めています。9親等というと、遡るなら曽祖父まで、現存する血の繋がっている一族の全ての情報を報告しろという事です。
目的は綱紀粛正、つまり習近平氏に忠誠を近い、もし逆らうなら罰として一族郎党に被害が及ぶという脅しと思われます。ただし、歴史的に、こういう処置というのは、別の意味を持ってきます。中国に限らず、アジア一帯には、「誅連九族」という風習があります。つまり、罰する時に連座で、一族を皆殺しにするという刑罰です。これ、比喩表現ではなく、そのまま、一族皆殺しです。日本の戦国時代も、そうでしたが、ある領主が別の領主を討伐した場合、使えている女官などの使用人も含めて、全員を殺し、後に怨嗟から報復されないように手を打つという習慣ですね。
中国の場合、さらに徹底していて、ある王朝が倒れて、新しい王朝が建つと、王族の墓を掘り起こして、死体を辱めるという事もします。つまり、死人も含めて、一族郎党を罰するという事をやるわけです。また、宮廷の文官や女官も全て殺します。何か象徴的な建造物があれば焼きます。中国で、文化の途絶が起きるのは、何も中国共産党に限らず、権力の奪取が起きると、前の王朝のあらゆるものを処断し、破壊するからなんですね。実際、支配民族の入れ替わりも起きたりするので、それは徹底しています。
死人も含めて全ての関係を報告させるという事は、現代版の誅連九族をやろうとしているのではないかという噂が出ています。日本で言う血判状の強制提出みたいなものです。もし、幹部が不穏な動きを見せたら、その報復は本人に留まらず、一族郎党に及ぶぞという脅しですね。こういう事をやるという理由は、恐らく周りから見えているのと違って、習近平氏の独裁体制というのは、盤石では無いという事だと思います。事前に裏切りに対する対策をするという事は、そういう空気が執行部の中に感じられるというわけですから、傍若無人な習近平氏の振る舞いを快く思っていない幹部は、外目で見えているより多いのでしょうね。
これ、独裁的な権力者特有の心理なのですが、疑心暗鬼が進んで自分で自身を追い詰めるパターンですね。スターリンは、これが酷くて、レーニンが死んで、党の実権を握った直後から、自分の権力を奪取する能力を持った個人、組織を徹底的に攻撃しました。具体的には、実行力を武力という形で所有している自軍の士官クラスの人材を大量にシベリア送りにして、殺しました。理由は何でも適当に罪をでっちあげて、とにかく殺しまくりました。これにより、ソ連軍の能力は著しく低下し、後にドイツのヒットラーが独ソ不可侵条約を破って侵攻してきたときに、まともに指揮をとれる人材が皆無でした。初戦でソ連軍が負け続けたのは、これが大きな原因です。
独裁者でも建国の理想があったりすれば、少なくても初期段階では、強力な権限を使って、善政を行う事もあるのですが、単に権力欲や自身の単なる夢想の実現に固執するタイプだと、無理やり現実を捻じ曲げて、自身の考えに寄せようとするので、国民は大いに苦しむ事になります。習近平氏は、間違いなく後者です。というか、権力者の多くは、習近平タイプです。「良い独裁者もいる」は、間違いなく事実ですが、期待できる程の確率はありません。世の中、自分が決心した事や、目指した夢を実現できる確率が、いかほどのものか、自分の人生と照らし合わせると良く理解できます。独裁者も超能力者ではないので、権力を欲しいままにしても、良い方向に国を導く事ができるわけではありません。』