就職口が無いけど、工場だけは回避する中国の若者
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/32248485.html
『中国政府の公式発表で大卒の20%が就職できず、恐らくは実際には40%以上が就職できない中国の若者ですが、それでも、工場勤務だけは最後の選択にする傾向があります。人気なのは、最近、増えすぎて規制が入ったデリバリーの配達員です。そもそもは、学生アルバイトだったのですが、今や、立派な生計を立てる手段です。
なぜ、工場勤務が忌避されるかというと、中国の工場労働は、外国から低コストでの稼働を常に期待されているので、コスト削減のやり方が非道レベルで厳しいからです。例えば、どういう待遇が待っているかというと。
・残業ありきの給料体系。基本給が小遣いレベルに低い。残業しないと生活できないレベル。
・ちゃんと給料が支払われる保障がない。数ヶ月単位の給料未払いは、普通にある。
・人間を機械と思っているのかと思う、厳しいペナルテイーと罰金。作業ミスはもちろん、作業効率でノルマを達成できないと、その度に罰金を取られる。
一言で言ってしまうと、非人間的な長時間・高効率の労働を課される上、給料はギリギリだし、しかも支払われるかどうか判らない事があるという、工員という職業に期待される低コスト・高効率が限界突破しているのですね。なので、何かしら体を壊す覚悟で働く必要があります。
多分、仕事のキツさ、不安定さという事では、デリバリーも大差ないし、悪天候でも勤務する必要があるので、むしろ悪いとも言えます。しかし、働いた分がちゃんと支払われる。労働時間を自分の裁量で決められるという事が、労働に対する達成感で工場勤務に勝ってしまっているんですね。
そして、この環境は改善が難しいです。なぜなら、工場労働には、強制収容所内でのウィグル人を使った奴隷労働という、報酬成しの労働集団がいるからです。つまり、「下には下がある」で、給料無しまで階層がある為、労働環境の向上のしようが無いのですね。僅かな利益をかすめ取るような、働き方しかできない構造があります。ゆえに、何十年勤務しても、先が見えている労働市場とも言えます。実際、公務員待遇だと、警備員でも応募が殺到するのですが、工場勤務の募集は、日雇いなら集まりますが、最初の仕事として敢えて選ぶ青年は、とても少なくなっています。
これが、最近の労働問題で、中国政府の頭痛の種になっています。工場で働かない事を理由に、刑罰を課す事はできず、何もできないからです。』