サヘルには、石油、金、ウラニウムが出る。
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『Thomas Fazi 記者による2023-8-8記事「Niger and the collapse of France’s empire」。
サヘルには、石油、金、ウラニウムが出る。にもかかわらず、世界最貧。
フランスの電力は70%が原発である。その燃料のウランの20%は、ニジェールで掘り出されたものだ。
それでニジェール国民はどうなっているか? たったの7%しか、電灯線が利用できない。田舎地方に行けば、4%である。全人口の40%が、極貧の生活水準にある。
ニジェール国内のウラン工業の資本は85%がフランスの国営機関と仏私企業に握られている。ニジェール政府の出資率は15%にすぎない。
そうなのだ。
他のいかなる旧宗主国とも違い、フランスは、旧植民地を形を変えて今も支配し搾取をし続けている。マリ、ブルキナファソはそれに抗議して蹶起した。それにニジェールが続いているのだ。
いかにしてフランスはアフリカ植民地の支配を戦後も延長できたか。通貨である。
1950年代には他の欧州諸国も、本国で刷った通貨を、植民地で流通させていた。
フランスが異常なのは、その通貨支配を、植民地が独立した後まで続けたことだ。
CFAフランというやつだ。今も14ヵ国が使わされている。マリ、ブルキナフアソ、ニジェールが含まれる。これらの国は自国で紙幣を刷らないのである。通貨奴隷だ。
フランス政府は、サヘル諸国がこの通貨機構から脱退しないように、あらゆる甘言で説得してきた。それどころか、暗殺や政権転覆工作までやらかしてきたのだ。
今日まで、サヘル諸国の財政が健全でなく、政府が無責任なのは、この仕組みのあるがゆえなのだ。
パリ政府はここを「フラン圏」と呼ぶ。
通貨を通じてフランスは、サヘル諸国の自主性を阻み、フランスの利益のため奉仕する経済政策を維持させた。
CFAは現代の搾取帝国主義そのものであり、サヘルの異常な貧困の原因はフランスにある。
ニジェールには、仏兵1500名の他、米兵(アフリコム隷下)が1000名も駐留。
マリの反仏感情がどれほど強いか。フランスとの外交関係は断絶。国内では仏語を公用語から外した。
ニジェール政変は、130億ドルを注ぎ込む予定の、ナイジェリアから欧州向けの天然ガスパイプラインを北上させる事業も脅かしている。』