72階村営ホテルに廃虚モール 中国経済失速の現場を歩く
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0469T0U3A800C2000000/
『中国経済に逆風が吹いています。なかでも国内総生産(GDP)の約3割を占めるとされる不動産の低迷が目立ちます。新型コロナウイルスの影響による消費者の行動様式の変化で打撃を受けている業界もあるようです。記者が現場に足を運び、目にした光景とは。最近の記事をまとめました。
不動産の低迷鮮明
中国の国家統計局によると、新築住宅の販売面積は2022年に前年比26.8%減と大幅に落ち込み、23年1〜6月も前年の同じ時期と比べて2.8%減りました。7月末に中国内陸部の安徽省銅陵市を訪れると、建設途上のまま無人となった高層マンションが林立していました。市内の住宅在庫がゼロになるまで13年以上かかるとの試算もあります。
住宅だけではありません。江蘇省では2011年に建てられたものの、現在は閑古鳥の鳴く地上72階建ての村営ホテルがありました。「ゼロコロナ」政策終了後も客足の回復が遅れ、上海の商業施設では一部フロアが廃虚化しているのが目を引きます。
人口3万5000人余りの村に826室の巨大ホテルを建設したが、現在は閑古鳥が鳴く(7月下旬、江蘇省華西村)
上海市内の商業施設も上層階は廃虚化が進んでいた(7月)
・「1階買ったら無料でもう1階」 中国不動産、不況脱せず
・中国景気失速、不動産がブレーキ 収益・雇用回復遅れ
・中国、落日の商業モール ゼロコロナ解除も客足戻らず
家電・外食・セメントにも波及
不動産市場の冷え込みは、新居の購入にあわせて買い替えが進みやすい家電など耐久財の消費の下押し要因となります。人々の財布のひもは固く、北京の飲食店経営者によると、今年春に1人400元(約8000円)程度だった客単価は直近で300元を割り込んだそうです。
大連市にあるセメント工場は静まりかえっていた(7月中旬)
中国の2023年7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は4カ月連続で好調・不調の境目である50を割り込みました。米中貿易戦争の影響で景気が減速した19年5〜10月以来の長さです。7月中旬に中国東北部・遼寧省大連市のセメント工場を訪れると、訪問客の姿はほぼ見られず、静まりかえっていました。
・中国経済「日本化」の兆し デフレ懸念、少子化も急速
・中国経済、長引く不振 7月景況感4カ月連続50割れ
・中国セメント、不動産不況で再編の波 最大手が生産集約
若者ら先行き不安
中国経済を覆う需要不足の根底には、根強い先行き不安があります。
特に、本来なら消費の主役となる若い世代の失業率が暗い影を落とします。職探しをしていないため統計に含まれないニートを含めると、若い世代の失業率は5割近くに達するとの試算もあります。
7月末に四川省成都市で開幕した「世界ユニバーシティー大会」の会場付近を訪れると、治安当局が厳戒態勢を敷いていました。
「世界ユニバーシティー大会」の開会式会場付近を警戒する警官ら(7月28日、中国四川省成都)=共同
大学生の就職難が続き、若者の抗議活動を警戒する当局の危機感を映しているといえそうです。李強(リー・チャン)首相も7月中旬、ネット大手の経営者を集めた会議を開き、「雇用を創出することを希望する」と呼びかけました。
・中国、潜在的な若年失業率は5割弱? 増えるニート
・習近平氏、学生重視アピール 厳戒態勢の世界ユニバ開幕
・中国・李強首相、ネット大手支援表明 就職難改善に期待
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