中国、動静不明の秦剛外相を解任 王毅氏が兼務
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM252TW0V20C23A7000000/
『【北京=田島如生】中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は25日、中国外交担当トップの王毅(ワン・イー)共産党政治局員に外相を兼務させる人事を決めた。公式な動静が1カ月間不明になっていた秦剛氏を解任した。
中国国営新華社が伝えた。習近平(シー・ジンピン)国家主席が主席令に署名した。王氏は2013年3月からおよそ10年間、外相を務めた。退任後に再び外相に就くのは極めて異例だ。…
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『全人代常務委は外相解任の理由を明らかにしていない。秦氏が外相と兼ねてきた国務委員(副首相級)の職務がどうなるかも触れていない。
香港メディアや台湾メディアは秦氏の動静不明について、新型コロナウイルスの感染や女性問題の可能性を報じていた。いずれも真偽は定かではない。
中国外務省のホームページでは、秦氏は6月25日にベトナムやスリランカの外相らと会談したのを最後に動静が更新されなかった。外交政策の要となる外相の動きが1カ月も公にされないのは珍しい。
秦氏は11〜14日にインドネシアで開いた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議を欠席した。中国外務省は「健康上の理由」と説明し、代理として格上の王氏が参加した。
王氏は外務省の日本語研修組で04年から07年まで駐日大使を務めた。13年に外相に就任し、22年10月の党大会で党序列24位以内の政治局員に昇格した。
25日の全人代常務委では中国人民銀行(中央銀行)総裁に前副総裁の潘功勝氏を充てる人事も決めた。
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神保謙
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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今後の展望 中国の外交関連の当面の課題は、秋のAPEC首脳会議に合わせた習近平国家主席の訪米、来年1月に予定される台湾総統選挙にある。王毅政治局員は米中関係はもとより元中央台湾工作弁公室主任として双方に精通する。外相ポストは臨時という見方があるが、台湾総統選までは担当するのではないか。
過去半年ほどの中国外交の特徴は、ウクライナ戦争への12項目、サウジ・イラン関係の調停、グローバル発展イニシアティブに代表されるグローバルサウスへの働きかけなど、必ずしも欧米スクールの秦剛の得意分野とは言い難い。権威主義国家や新興国との関係強化を梃子に米国と向き合う、という外交方針に必ずしも適合しなかったのかもしれない。
2023年7月25日 23:36 (2023年7月25日 23:40更新)
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菅野幹雄
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
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ひとこと解説 極めて異例な展開ではないでしょうか。習近平国家主席の覚えめでたいとされ、駐米大使、外相と抜てきが続いてきた秦剛氏を1カ月の空白のうえで降板させるとは。外交舞台でデビューを飾り、米中対立やウクライナ侵攻を巡る中ロ関係といったホットイシューに関わり始めた人物をここで代えるというのは、習体制にとって痛手となるはずです。
新華社の詳しい報道内容を知りませんが、当初のような「健康上の理由」という説明はないようです。本当の退任の理由は何なのか。色々な噂が飛び交うなか、何もなかったではすまされません。中国共産党側の説明ぶりやダメージコントロールの手法が注目されます。
2023年7月25日 20:37 』