宗教を隠れ蓑にしたマフィア組織
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/32046480.html
『民主国家を名乗る場合、宗教の自由というのは、漏れなく保障されています。一種の治外法権みたいなもので、活動内容について摘発するのが難しい。宗教指導者と信者との間に合意ができているので、無理矢理押し付けているわけでもなく、それが搾取構造になっていても自由意志で片付いてしまいます。オウム真理教が日本で暴れた時に、なかなか行動を摘発できなかったのも、信教の自由が保障されているからです。明確な犯罪行為が立証されないと、取り締まる事ができません。
これを利用して、敵地でスパイ活動や、物資の横流しに暗躍する「宗教組織」というのは、多いです。それも、看板はロシア正教会だったり、モスクだったり、新興宗教などではなく、多くの信者を抱える大手の宗教組織です。宗教の特性として、地域コミュニテイーの役割を果たしますので、もし、敵国が相手の国で諜報活動や、武器の持ち込み、騒乱の扇動などをやる場合、その地域の教会に潜り込むのが有効です。
どうも、ウクライナ国内のロシア正教会で、ロシア派の教会が、物資の横流しに暗躍している様子です。というのは、西側からウクライナに譲渡された武器の一部が盗まれるという事件が起きています。国外に出る前に回収されたので、ロシア軍の手に渡ってはいないのですが、こういう活動ができるのは、ある程度自由が保障されて、取締が難しい宗教組織が根を張っているからです。
ロシア正教会はキリスト教の一派ですが、より原理主義的です。自らの唯一正統性を主張する排他的な教義になっています。東ローマ帝国が栄えていた頃に発展した宗派で、地域の独立性が強い組織です。ウクライナは、旧ソ連領だったので、ウクライナ正教会よりロシア正教会の影響下にある教会が現役です。宗派としては正教会で、それに地域名が付きます。組織としての独立性が高く、正教会だからと言って、同じ方向を向いているわけではありません。実際、ウクライナ国内の正教会でも、ロシアと縁を切った教会もあります。
問題は、外から区別が付きにくい事です。信徒を装って、情報交換や人材の勧誘など、色々な用途に使えます。また、信者の中には、色々な職業に就いている人がいますので、何かの工作を仕掛ける場合、洗脳して利用する事も可能です。という訳で、宗教の種類を問わず、戦争が起きると、シンジケートとして機能するのが宗教組織だったりします。欧州各国でも、ISISが元気だった頃には、モスクを通じて、自国内でテロの準備や組織化が行われていました。
東南アジアの教会などでは、支援物資の搬入に紛れて、国外から武器や麻薬の密輸入のルートになっている場合すらあります。チェックが甘くなるからですね。実際、作業に当たっているNGOの職員すら、荷物の中を知らず、支援物資と信じて、教会の管理している倉庫に搬入します。つまり、上の連中で話がついていて、荷物の中の一部に禁輸物資を紛れ込ませるわけです。まぁ、金で大概の事は解決するというのは、こういう事ですね。国同士が戦争していても、「金儲けとは関係無い」と考える市民もいるという事です。ましてや、ウクライナは残念な事に、汚職の蔓延を理由に、国際団体への加入を断られる国家であったのも事実なので、こういう物資の横流しは、これからも起きると思われます。
この投稿の主旨とは、違いますが、教会関係でロシアが、やらかしたので、これも書いておきます。ユネスコ遺産にも登録されている1794年まで歴史を遡るオデーサ最大のキリスト教教会である救世顕栄大聖堂が破壊されましたね。戦局と関係の無い、こういう施設を破壊するのは、ロシアがウクライナ文化そのものを最終的に破壊して、ウクライナ人を消滅させる気である証拠でもあります。そして、多分、先日のクリミア大橋に対する2回目の破壊工作と、プーチン大統領が南アフリカで行われるBRICS会議に出席が叶わず、オンライン参加になった事に対する報復ですね。南アフリカの件は、やはりアフリカ向けにウクライナが輸出している穀物倉庫を狙ってミサイルを撃ち込んでいます。間接的な南アフリカに対する嫌がらせです。
戦場で勝てないからと言って、こういう事を国がやるかと思いますが、立派な軍事パレードを国家レベルの祭典としてやる国の軍隊は、この程度です。正規軍としての誇りもなく、民間人と軍人を分けて考える事もしません。多分、この戦争の結果が、どうなろうと、ロシアという国が残っていれば、「ロシアは大勝利」と言い張るはずです。それは、プーチン氏が戦争を始めた時点で、動かせない決定事項であり、そういう面子の為に人を殺せるのが独裁国家というものです。』